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「さいっあくだ。」
ご飯に行く約束は明後日、土曜日。
大我さんから、"綺麗目のかっこしてきてもらったら大丈夫!" と連絡が来た
綺麗目って。俺はそういった服装が相応しい場所に連れて行かれるのか
「ドレスコード...」
今日は早出で開店準備をしている俺
頭の中はそのことでいっぱい
「よぉ北斗!!」
カウンター越しに馬鹿でかい声を投げられて顔を上げる
「...なんだよびっくりしたな。なんでいんのまだ開店前だよ」
「樹が入れてくれた!」
「おかしいよ...」
目の前にいたのは樹の客兼友達の慎太郎だった
「何考え込んでんの、いつに増して顔が暗いよ」
「いつに増して、は余計だし失礼なのよ。腐っても年上よ、俺。」
「...ほんとな。腐ってもな。」
「樹、」
カウンターに入ってきた樹は、腐っても腐っても、と繰り返したあと歯磨きの宣伝みたいににっこりと笑った。...なんだ、むかつくな
「こいつ絶賛恋煩い中だから。慎太郎も温かく見守ってやってあげてよ」
「だ、誰も!!!」
「あっはっは!声でっけぇな!」
恋煩い中とか、どいつもこいつも嬉しそうにしやがって。たしかに思ったよりボリュームでたけど。...てか
「違うのよ、じゃあさ、みんな相談に乗ってよ。
...ご飯行くだけなんだけど。綺麗目な格好ってなに」
「うーんなんだろ、」
「スーツ?それがかたすぎるならジャケット系のセットアップでも着ていけばー?」
慎太郎の言葉に、樹が目を見開いてこっちを向いた
「な、なに」
「大我さん、北斗に黒のセットアップ着せたいって言ってたわ。絶対似合うよ、って」
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作者名:向日葵 | 作成日時:2022年8月3日 22時