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ヤバい…どうしよう…
緊張しすぎてお腹が痛くなってきた…
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3月某日。
今日は大学の合格発表の日だ。
成績が開示されるまであと30分。
私は起動したパソコンの前で正座をして、時間が過ぎるのを待っていた。
直接大学に行って結果を見るという手段もあったのだが、交通費や宿泊費など諸々のお金がかかってしまうため断念した。
そのため、家のパソコンから大学のホームページに結果が掲載されるのを冷や汗をかきながら待っている状態だ。
千鶴「おーい。Aさーん?凄く怖い顔になってますよー?」
パソコンの隣に置いているスマホに目を向けると、苦笑いを浮かべる従姉妹の千鶴が映っていた。
現在、千鶴とビデオ通話をしながら時間を待っているのだが、緊張し過ぎて全く会話をしていない。
『だって、すごく緊張するし不安なんだもん…』
千鶴「その不安を紛らわすために私と電話してるんでしょ?さっきからずーっと黙ってて、私の意味ないじゃん」
そう言ってケラケラと笑う千鶴を見て、少し肩の力が抜ける。
弟は学校、母は高校時代の友達に会うらしく、今家には誰もいない。
その為、不安を紛らわすために千鶴に電話をしたのがつい先程。
バイトに行くまでで良ければとのことで、通話を始めたのだが、会話らしい会話は一切出来ていない状態なのだ。
千鶴「ていうか。センターの結果良かったし、今までの模試だって普通に合格圏内やったんやろ?不安になる必要なくない?」
『だって、万が一のことがあるじゃん…』
千鶴「そういうネガティブなところ、いい加減治しなってー。少しぐらい自信持ったらどうなん?」
『だってぇ…』
子供のように駄々をこねる私を見て、「相変わらずだねー」とまた苦笑いを浮かべる千鶴。
彼女とは中学の頃までお互いの家が近かったため、ほぼ毎日遊んでいた。
それこそ、周りの人達に姉妹だと勘違いされた程だ。
その為、千鶴の前だとどうしても子供のようになってしまう。
千鶴「大丈夫!Aは充分頑張ってた!だから胸を張って!な?」
「うん、ありがとう」と呟くと、千鶴は「どういたしまして」と笑った。
その後少し話し込んだが、そろそろバイトに行くらしく通話を切ることになった。
通話を切って、時計を見てみると既に成績開示の時間になっていた。
慌てて結果が乗っているページに飛んだが、アクセスが集中しているらしく、読み込みが遅かった。
その間手の震えが止まらない。
どうか合格していますように…!
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八重桜(プロフ) - ゆみかさん» 初コメありがとうございます!やはりうらさんでしたか…(白目)教えて下さりありがとうございます!更新は遅めですが、頑張ります! (2020年3月12日 3時) (レス) id: 62b3e739f9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみか(プロフ) - 初コメ失礼します!確かうらさんって読んでいた気がします!とっても面白いのでこれからも頑張ってください! (2020年3月8日 13時) (レス) id: bac69d1b88 (このIDを非表示/違反報告)
八重桜(プロフ) - そらるなさん» コメントありがとうございます!楽しんで貰えたようで嬉しいです!これからも更新頑張っていきます! (2020年2月22日 5時) (レス) id: 62b3e739f9 (このIDを非表示/違反報告)
八重桜(プロフ) - over the rainさん» いつもコメントありがとうございます!無事に更新できました(汗)これからもよろしくお願いしますm(_ _)m (2020年2月22日 5時) (レス) id: 62b3e739f9 (このIDを非表示/違反報告)
そらるな - 最初から見ました! すっごく面白かったです。 更新頑張ってください! (2020年2月15日 18時) (レス) id: 4a84e506c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:八重桜 | 作成日時:2019年9月23日 4時