【歌い手】出会いは偶然…だったよね？【浦島坂田船】

【2】 ページ9

その後、色々と話をした。
話しかけてくれたセンラーさんは、熊本から来ていて、チケットは当たらなかったが物販に並ぶ為にわざわざこっちに来たのだという。すごい。
ついでなので、物販が終わった後は同じ熊本から来た幼馴染と福岡で買い物をするのだとか。


センラー｢福岡には美味しいものが沢山あるみたいだから、一度行ってみたかったの。チケットが当たらなかったのは残念だけど、ある意味いい機会だと思ってる。｣

『そうなんですね。あ、それなら…ここのお店、ケーキがとても美味しいのでおすすめですよ。』


昨日、千鶴が買って来てくれたケーキのお店を紹介すると、センラーさんは嬉しそうに｢ありがとう。行ってみるね。｣と笑ってくれた。
あと、お礼だと言って塩分チャージをくれた。

その後も一時間程並び、ようやくグッズを買うことが出来た。
並んでいる間はセンラーさんのお陰で全く苦にならなかった。

買い終わった後、そのセンラーさんは幼馴染と合流するために別れてしまったが、ツ〇ッターを教え合い相互フォローした。

(優しい人に会えてよかったなぁ。…正直ちょっと心細かったし。でも…)

列から少し離れた場所から、そっと辺りを見渡すが昨日の男性crewさんは見当たらない。
そもそも、crewじゃなかったのかもしれない。
少し残念な気もするが、そればっかりは仕方がない。

ふぅ、とため息をつき、邪魔にならないような場所に腰を下ろした。

開場まで、あと一時間。
もう少しでずっと応援していた人達に会える。
はやる気持ちを抑えながら、買ったばかりのペンライトを取り出した。

【3】志麻side→←【1】2016年 夏

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す