俺らしくねぇ… ページ22
銀八side
俺が言うと、驚いた顔でこちらを見るA
「ほんと、ですか?」
「おう。別にお前はなんも悪くねぇから、心配すんな」
Aの頭をなでてやると、Aは顔をリンゴかってくらい真っ赤にさせた
やめろよ…。
そう言う反応をさせられると、嫌でも勘違いしちまうから…
「とりあえず、私のせいじゃなかったみたいでよかったです」
そう言って、再びプリントの続きをするA
本当に、悪いのはこいつじゃない。
ただ、俺はあの後Aが大串くんや総一郎くんと話していたのにイラッとしたのだ
Aが笑っていたのを見たあいつらは、明らかに顔を真っ赤にさせた
惚れたのかは正直分かんねぇ。
でも、それでも、教師の俺なんかよりも同級生であるあいつらの方が
Aは惚れるんじゃねぇか…
そう考えちまって、尚更イライラが募った
それはいわゆる、嫉妬ってやつで…
・
・
あほだよな、俺は…。
そこら辺にいるガキみてぇに、ちょっとしたことで嫉妬しちまって。
そこら辺にいる乙女みてぇに、うだうだ考えちまって。
今までの俺なら、そんなことはなかったのかもしれない。
でも、Aが…Aの存在が俺を俺じゃなくさせるんだ
柄にもなく、こんなガキ一人に振り回されちまうんだ…
「先生?どうしたんですか?」
少し前のめりになり、俺の顔を覗き込むA
銀八「何でもねぇよ」
・
・
もしも、俺がAの教師じゃなかったら…
また違う選択ができたのかもしれねぇと
窓の向こうに映る真っ赤な世界を視界に移しながら俺は思った
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スー(プロフ) - ありがとうございます!頑張りますので気長にお待ちください! (2017年4月6日 20時) (レス) id: 108d5b440b (このIDを非表示/違反報告)
恋雪 - 面白いですね!これからも更新頑張ってください (2017年4月6日 20時) (レス) id: 9613c7c3d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:スー | 作成日時:2017年3月4日 10時