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39* 気付きません ページ40

「後はお米…」

威「やっほー」

「わっびっくりした!」


江戸の生活にも適応して、買い物リストのメモ片手に街を歩く。
ひょっこりとその男が出てきたので、彼女の体は2,3程、後ろへ下がった。


威「何だ、元気ないね?」

「いや元気だよ?! どう見間違えたわけ?」

威「いや、泣いて喜ぶかと思ったから」

「んなわけあるか。
…そんな事より、どうしたの?」

威「うん。会いたいなーって思って」

「私戦いは無理だよ」


神威の無邪気な笑顔を見てまた後退するA。くるりと踵を返して逃げようとすると、それは背後にいる男によって阻まれた。


威「待ってよ、こんな真昼間じゃ力なんか出ないし
今日は純粋に会いたいと思っただけだ」

「…あ、太陽に弱いんだったっけ。ごめんね、その設定忘れちゃってた」

威「設定?」

「気にしないで」


番傘を片手にもう片方で彼女の細腕を掴む神威。その腕は、Aよりもずっと白くて弱々しく見えた。
 彼女が優しさでもう一度彼の方を見ると、それは嬉しそうにAの横に立って。


威「俺の傘の中入れたげるよ」

「いいよ、せっかく今日は天気良いんだから」

威「……ふーん。じゃ、荷物でも…」

「持てないほどの重さじゃないよ」

威「……ま、それもそうか」


神威も、気まぐれな優しさであれこれ言うが…全て断るAに、そんな気は失せてしまった。
すると突然。でも、と声を出したA。神威が見上げる。



「せっかくこんなに天気が良いのに真っ暗で過ごさないと死んでしまうなんて切ないね」

威「別に平気だ。暗い方が人を殺しやすいし」


「でも見て、神威」

威「……!」



――ざあ。風が彼女に向かって吹き込む。
番傘の向こうに見えたのは、風を受けて輝く陽だまり。
キラキラする彼女を見て、言葉を失った。



「太陽はね、私たちの神様なんだよ
ギラギラして、熱くて大きくて……輝いてる」

威「――……」



単純に、綺麗だ、と思った。
彼女を照らす太陽の事を、憎く感じた。
光の上へと、無意識に神威が手を伸ばした。


「……! あぁっ、アイス買ってたんだった!
ごめん神威、また今度ね!」

威「っ…! あ、あぁ…」


ぱたぱたと走っていくA。ばちんと引っ込めた腕。
じりじり痛む腕を無視して、神威はAを見つめていた。


威「……何だこりゃ?」


じくじくと何だか痛む胸。胸をどんどんと叩く。



威「阿伏兎に聞けばわかるか」



この正体をまだ知らない、18歳青春真っ只中。

40* 助けられます→←38* さよならします



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おそらまめ@個人経営(プロフ) - 若葉さん» ありがとうございます!沖田くんは神の上ですね!(は?) (2020年3月15日 1時) (レス) id: a071833898 (このIDを非表示/違反報告)
若葉 - この作品は神です! 沖田くんは神神です!(?) (2020年3月14日 23時) (レス) id: 4dface175c (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ@個人経営(プロフ) - Dsloveさん» 歩きスマホしちゃってますね。すいません、ご指摘ありがとうございます、、、 (2018年9月11日 23時) (レス) id: 0b0bec3b96 (このIDを非表示/違反報告)
Dslove(プロフ) - 歩きスマホですか? (2018年9月11日 22時) (携帯から) (レス) id: 998ae028aa (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 凄く気に入った作品で大好きですもし今後他の作品を作る予定があったら銀魂の銀時か高杉の姉か妹がワールドトリガーかアニメKか転生したらスライムだった件の世界にトリップか転生した作品が読んでみたいです説明が下手だったらすみませんこれからも更新頑張って下さい (2017年10月29日 12時) (レス) id: 14f5017be6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おそらまめ | 作成日時:2016年8月31日 23時

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