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35* 近づきました ページ36

「と、しろーさ…」

土「っ、わ、悪い!」


ずんずんと進む土方を不思議に思って、息切れしながら名前を呼ぶA。
 気が付いた土方がはっとして、強く掴んでいた腕を離した。


「どうしたんですか、副長?」

土「お前もタチの悪い奴だな…」

「もしかして、十四郎さん」

土「…っ、何だ」


山崎の様に、副長、と呼べば、不機嫌そうにこちらを見る。
そして、彼女に名前を呼ばれて一瞬詰まった。


「退くんにヤキモチ、焼いたんですか?」

土「なっ、……お前何言ってやがる!」

「ちょっとからかっただけですよっ」


みるみる面白いぐらい真っ赤になった土方を見て笑うA。
 おもしろそうにくすくす音を立てる彼女の肩を土方が掴んで、そちらへ向かせた。



「とーしろさ、」


土「……そうだよ」

「え?」


土「あいつなんかに…呼び捨てに、されんな」


「……っ!」



真剣な目をAに向ける。
するどい剃刀色の目、今度は彼女に熱をもたせた。



「で、も…あの…総悟も、いるし」

土「総悟の事は総悟の事だ。お前と同じ姓だろうが関係ねェ」

「私は、退くんって呼んでるし…」

土「お前のその呼び方も気に食わねェ」

「でも、私十四郎さんって呼んでるし!」


土「俺は良いんだよ」

「なんで!」



「「……!!」」



言い争いになり、気づけば顔がすぐそこにあって。

2人は共に仲良くぼふんと顔を赤くさせた。



「あ、あの…ご、ごめんなさい」

土「いや……お、俺も熱くなった」


「あ、えっと……」



先程まで喉近くに届いて今にも出そうだった言葉たちはどこへやら。
 僕たちお邪魔だねーなんていう様に、それらは奥底へと眠ってしまった。



土「……――つまり。つまり、だ」

「は、はい」


土「お前は、山崎の事を何と呼ぼうが関係ねェが……
その代わり、俺に遠慮をするな」

「……え? えっ、と…つまり…」


土「……敬語を、外せっつってんだよ」


「……な、んでそんなに、照れて……」


耳まで……否、首まで真っ赤に染まった土方が、申し訳程度に片手で顔を隠しながらそう言う。
 その様子に彼女にも照れが移ってしまったようだ。



土「それで……文句あるか」


「……ありません。

ううん、ありがとうトシ!」



土「―…っ、その、呼び方はまだキツイ…」


「え?」


土「無自覚にも程があるだろ…!」



――土方と、彼女が仲良くなったお話。

36* 様子が違います→←34* ジミーに会いました



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おそらまめ@個人経営(プロフ) - 若葉さん» ありがとうございます!沖田くんは神の上ですね!(は?) (2020年3月15日 1時) (レス) id: a071833898 (このIDを非表示/違反報告)
若葉 - この作品は神です! 沖田くんは神神です!(?) (2020年3月14日 23時) (レス) id: 4dface175c (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ@個人経営(プロフ) - Dsloveさん» 歩きスマホしちゃってますね。すいません、ご指摘ありがとうございます、、、 (2018年9月11日 23時) (レス) id: 0b0bec3b96 (このIDを非表示/違反報告)
Dslove(プロフ) - 歩きスマホですか? (2018年9月11日 22時) (携帯から) (レス) id: 998ae028aa (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 凄く気に入った作品で大好きですもし今後他の作品を作る予定があったら銀魂の銀時か高杉の姉か妹がワールドトリガーかアニメKか転生したらスライムだった件の世界にトリップか転生した作品が読んでみたいです説明が下手だったらすみませんこれからも更新頑張って下さい (2017年10月29日 12時) (レス) id: 14f5017be6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おそらまめ | 作成日時:2016年8月31日 23時

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