6両目、出発進行。 ページ6
「……じゃあ、お前ら体重計には必ず乗れよ。明日から毎日やっちゃんに報告すること。一週間後、増加分1キロにつき外周2周だからな」
「……嘘でしょ、無理に決まってるじゃんそんなの…」
「今年もその制度引き継がれたか…」
部活終わりの縁下さんの言葉に、各々感想を漏らす。
去年もこの制度あったんだ…菅原さんとか友チョコ多そうだし苦労してそう。
「でも、折角貰ったもんは有難く完食しろよ?女子の労力を無駄にすることは許さない」
「縁下さん、女子の味方の鑑ですね…」
「力、姉ちゃんも妹もいるもんな」
「あの二人の菓子作り見てたら女子ってお菓子作りの大変さが分かる…だから、残すなよ?」
縁下さんの妙に圧のある言葉にみんなで頷いた。
……1週間後か、でも部活してれば割と平気なのかな。
「じゃあ、自己管理は各自しっかりとね。鍵閉めるから早く出て」
縁下さんに急かされて荷物をまとめて部室から出る。
谷地さんも更衣室から戻ってきて、全員で帰り道を歩く。
「谷地さん!クッキー美味しかった!ほんとに!ありがと!」
「俺も食った。美味かったっす」
「いやぁ、そんなに面と向かって言われると照れるなぁ…」
日向と影山が谷地さんにお礼を言ってるのを見て、俺も感想を伝える。
田中さんと西谷さんは涙を流しながら「天界のご馳走だった」と谷地さんを崇めていた。
「流石に大袈裟でしょ…」
「俺もそう思うよツッキー…」
校門を出た辺りで、袖が引っ張られる感じがした。
振り返ってみれば、俯いている女の子が居て、ツッキーに渡し忘れたけ子かな、と推測する。
「どうかしましたか?」
声を掛ければ、俺の袖を引いて校門の裏に連れてきた女の子。
まぁ、隣に本人いたしそりゃそうか。
「……あ、あの」
あれ?この声聞き覚えがある。
顔を上げた彼女を見て、確信した。
「山井さん」
やっぱり、君もか。
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nana(プロフ) - まとめ方がとても上手くて尊敬します! (2020年2月26日 14時) (レス) id: 8b7e89d888 (このIDを非表示/違反報告)
うどん - 山口君の小説有難うございます!とても面白かったです! (2020年2月20日 20時) (レス) id: 8f3ce9713a (このIDを非表示/違反報告)
ゆうかな - とっても面白かったです!やっと山口が報われるのを見つけた! (2020年2月19日 15時) (レス) id: 84f41cfd95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あだしの。 | 作成日時:2020年2月13日 20時