2両目、出発進行。 ページ2
「これ、……月島くんに、渡してもらっても良い?」
「あ、はい。分かりました」
全国の効果は凄いのかな、先輩から受け取るとは思わなかった。
まだ一年だしそこまで量多くないだろうな、って思ってたけど、とんだ大誤算だった様だ。
増えていく袋の量と比例して俺の心も重くなる。
「あ、ツッキー、これは先輩からだよ!」
「先輩…?何で僕のこと…ああ、大会か……」
はぁ、と深い溜息をついたツッキー。
確かにこの量を消費するのはキツイだろうなぁ、いくらツッキーが甘党といえども。
明光くんも失笑するんじゃないかな、流石に。
「でもさ、中学の時より皆レベル上がってるよね」
「お菓子なんか作ってないで勉強すればいいのに」
「はは、それ女子の前で言ったら怒られちゃうよ」
ツッキーに食べて欲しくて皆頑張ってるんだから。
まぁね!ツッキーが甘いものを口にした時の幸せそうな顔は本当に眼福だと思うけどね!
それを間近で見られるのは幼馴染の特権と言うやつだ。
散々俺を仲介人として扱ってる人たちには見せてあげない、絶対に。
……これが俺のささやかな反抗だったりする。
「暫くツッキーも甘いもの嫌になっちゃうね」
「毎年そうだけどね、今年はちょっと…」
「ホワイトデーまで続くかな?」
「……可能性はある」
記録更新だね、なんて明るく振舞ってみるものの、何処かに虚しさが残った。
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nana(プロフ) - まとめ方がとても上手くて尊敬します! (2020年2月26日 14時) (レス) id: 8b7e89d888 (このIDを非表示/違反報告)
うどん - 山口君の小説有難うございます!とても面白かったです! (2020年2月20日 20時) (レス) id: 8f3ce9713a (このIDを非表示/違反報告)
ゆうかな - とっても面白かったです!やっと山口が報われるのを見つけた! (2020年2月19日 15時) (レス) id: 84f41cfd95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あだしの。 | 作成日時:2020年2月13日 20時