イケメンに捕まった【及川徹】

確実にこいつヤベェ奴 ページ9

「ねぇ、及川。ココなんだけど…」



数学の授業を終えると、Aちゃんが俺に教科書を差し出して質問してきた

朝言ったことスグに実行するのかコイツ



「ん？どうしたの？」



Aちゃんの机に椅子を近づけて、一緒に教科書を見る

ああ、コレか



「ココは、部分積分しないといけないから……」



ある程度ヒントを与えれば、答えに辿り着き、無邪気な笑顔でお礼を言ってきた

新しいタイプの笑顔だ、これにも太刀打ちできるようにしないと

なんて、ほんのり赤くなる顔を俯かせながら思う



「あ、もう1つあるんだけど、」



その言葉に顔を上げようとすれば、ネクタイを引っ張られて必然的にAちゃんの肩付近に顔が寄せられた

突然のことに驚く暇もなく、



「今朝、私に何しようとしたの？」



そう耳元で囁かれた

顔が真っ赤になるが、頭は真っ白だ

今朝、Aちゃんの髪の毛に触れようとした
……起きてたのかよ！



「な、にも……」

「へぇ。隠されるとヤラシサ倍増だね」



ネクタイをパッと離し、俺と見つめ合うAちゃん

その顔には、保健室の前でも見た悪戯っぽい笑顔が浮かんでいて、「ああまたやられたのか」と思うのに時間はかからなかった



「髪くらい、何時でも触っていいんだよ？」



首が見えるほど短く艶やかな髪を指に絡ませながら、
完璧な爽やかスマイルを炸裂させたAちゃん



「じゃあ失礼します！」
「ちょっ、やだっ、私が1番よ！」
「A様の髪の毛ぇええ」



クラスの女子が一斉にAちゃんに群がる様子は、
何かもうアレ、俺の心を折るには充分すぎると思うんだ

6組の団結力は凄い→←実は付き合ってる2人

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