イケメンに捕まった【及川徹】

6組全員バレーの勉強してたらイイ ページ13

「「「っっっ！！！」」」



目が覚めた、何かが起こると思ったから

いつのまにか壁側に居たのは、篠塚が運んでくれたからだろうか
……いや、そんなことはどうでも良い



「「「何アレ何アレ何アレやばいやばいやばい好き」」」



私たちの目に映っているのは、
王子(A様)と姫(及川さん)が抱き合っているところ

その前の光景も、私たちの脳に刻まれて忘れられない

A様は助走を開始していて、
篠塚が及川さんの元へと放ったボールを、
完璧にセットアップ

一瞬にしてA様の手元にボールが吸い込まれ、叩き付けられた



「及川、凄い！凄い凄い！」



なんてはしゃぎ回るA様には、
いつもの王子様のような面影はなくて



「「「ギャップ萌えェ…ッ」」」



私たちの心を射止めるには十分すぎるものだった

そして、私たちは気づいてしまった



＿＿愛おしそうにA様を見つめる及川さんを



「「「やっぱ推せるわ尊いなコラ」」」



6組全員、改めて自分たちの推しカプの尊さを実感した



「…待って。及川、」



唐突に真剣な表情を作り出したかと思えば、



「……足、どうしたの」



その言葉に、及川さんも私たちも驚いた

そして、そこからの私たちの行動は早かった



「お、及川！お前足やったのか？！捻ったのか？！」
「わ、私テーピングあります！」
「アンダーラップうち持ってる！」
「俺固定すんの得意だから任せろ！」
「僕氷もらってくる！」



いつ、推しが怪我をしても良いように準備は万端

備えあれば憂いなし、

怪我はして欲しくなかったけれど、
すぐに処置ができて良かった



「「6組…凄すぎない？」」



2人が小さくそう呟いたのは、
必死すぎる私たちには届かなかった

幸福の過剰摂取→←多分打点凄い

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