調理中 ページ8
「チャルちゃんは何を食べる?」
「…何でもいいですよ」
ラピスは、何処かを見ながら言った。いくら目上であるラピスでも、ヴェネッタが化身になれば身長が変わる。それは、私も同じだった。ラピスは敬語で答えた。
「私も手伝うよ、母さん」
マロンテはあら、と言わんばかりに目を真ん丸にする。
「今カレーを煮込んでいるの。Aは御飯を入れてくれる?」
分かった、と私は目で答える。
「ヴェネ…マロンテさん…私はどうすればいいですか?」
ラピスは緊張で震えている。ラピスとマロンテは、化身として話すことなど無かったからだ。
「チャルちゃんは、折角来てくれたのだから、椅子にでも腰掛けて待っていてね」
こくり、とラピスは小さく頷いた。そして、椅子に座る。
「さあて、御飯入れるか。ラピス、どれだけ食べる?」
ラピスはぼうっとしており、はっと顔を上げる。
「へっ?私はちょっとでいいよ、身体が小さいし」
「分かった。母さんは?」
「私も控えめでいいわよ。元々Aもチキンカレーでも共食いだから嫌なのでしょ?」
「チキン…」
鳥の神に申し訳ないが、チキンは美味しい。私は、チキンカレーでないと嫌なくらいだ。心のなかでごめんなさいね、と呟くと、私は御飯をすくった。
「はい、御飯」
「ありがとう」
マロンテは御飯を入れた皿にルーを入れた。
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作者名:雪乃妃萌乃 | 作成日時:2020年12月22日 19時