村の丑年姫祭り！ (ページ27)

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さよなら、私が主役の日々？ページ27

─────────私の年
12月になった。もう丑年も終わりか。
私は、まっすぐに空を見上げた。冬。綺麗な星達が、私を見下ろす。そう。私は今まで、ずっとそちらの世界に居たんだ。「悪魔」がこの村を壊しに来たから、私達十二の神はこの村に来たんだ。楽しくて、安全なお祭りの為に。

「A、雪が降っているわ」

深々と雪が降り積もっている。私は雪に手を当てた。雪はほろりと融けて、消えた。

「何、A？当番終わるから嫌なの？」

「どうせ十二年経ったらまた来るしっ」

どちらかというと、やっと、だな。
こんなに面倒臭い仕事、しのごの言わずに出来ないからな。私はどちらかと言うと嬉しい。

「A、お疲れ様でした」

母さんは母さんだ。温かい。
ここは、十二支の神が住む小さな村。今日も、小鳥が歌って、村人が畑を耕して、何処かで休んで、時が巡って。
この素晴らしい村を守る為に、私達は交代で主役になるのである。

───11年後
「A、来年は丑年ですよ」

「もう11年？早いな…」

私はまた、いつもの準備をする。悪魔が村を追放されて、いつ戻るか分からない。だから。
さて、仕事仕事。