節分 ページ18
節分。それは、鬼神様を村に呼び、行われる。毎年十二支の神が主催。節分は苦手だ。
まず、恵方巻。恵方巻は食材を巻くだけだから別に出来ないことはない。問題は豆だ。小さすぎる上、力加減が異常な程難しい。
「ラピス、これってどうやって投げるの?」
ラピスは村一番の豆投手だ。ラピスはくっくと笑う。
「毎回やってるのに、まだ分からないの?」
「…うん……」
「A、こうやって升を持って」
言われた通りに升を持つ。
「あ、持ちやすい」
「でしょでしょ」
ラピスはどこからか大きめのビーズを持ってきて、升に入れた。
「練習。A、やってみて」
「ラピスの宮に…散らばるよ?」
言ったら、ラピスは怒鳴った。
「いいの!!投げて!!」
思いっきり空気を吸う。
「えい!!」
紙製の的が破れた。
「力加減って…難しいね」
この後も、練習は続いた。
当日。
「今年は牛花、か。力加減は出来るのか?」
「出来るしっ」
鬼神になめられちゃ困る。力加減…大丈夫だ、気絶はしない。
「鬼はァァ外ォ!福はァァ内ィ!」
風に乗って、豆は飛んでいく。
「力加減、出来るようになったんだな」
ははっ、と、鬼神は笑う。
「ああ、出来るさ」
「恵方巻まだ?A」
「はいラピス」
「小さいよー!!」
恵方巻を食べる。美味しかった。私は、村人の幸せを願いながら食べた。
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作者名:雪乃妃萌乃 | 作成日時:2020年12月22日 19時