永遠─とわ─ ページ15
「『悪魔』…用もないのに現れるな。」
悪魔は笑う。
「用…あるけど」
「なんだ!」
私が大声で怒鳴ると、「悪魔」は“仲間”という言葉を発した。
「君の仲間を、奪いに来た。」
私は歯を噛み締めた。
「私の仲間を奪うのか…?」
ああ、そうだよ、と「悪魔」は頷く。
「君の仲間の小さな子、家に籠っても破壊するから奪われちゃうなあ、可哀想に」
「破壊させない!」
ラピスに迷惑は掛けたくない。私には平和な日常を過ごさせる責務がある。
「仲間を奪わずに済む方法、知りたい?」
「…は?」
私は硬直した。私の「死」と引き換えに、仲間を助ける、と。その時だった。
「Aの運命を『悪魔』が決めるな!」
ラピスが、ドアをバンと開け、飛び出してきたのである。
「君…自ら来たのか。」
「私は『悪魔』側につきたくない。私は私なんだから」
ラピスは震えていた。
「ラピス…」
「私は…仲間じゃなくて、“友達”だから。友情って、凄くかたい絆で結ばれてるの、知ってる?『悪魔』は孤独だから知らないか〜」
「友情は、永遠に続く。孤独とは違う」
凄く眩しい。夜明けだった。
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作者名:雪乃妃萌乃 | 作成日時:2020年12月22日 19時