初詣 ページ12
「行くね」
「……うん」
神社には雪が降っている。ここは、人で賑わっていた。美しい朱色の鳥居と宮、人々は祈りを捧げている。
「牛花も一回参っては?」
サシュレが居り、私を「牛花」と呼んだ。
「ああ、行くよ」
(平和で静かな年になりますように)
「Aじゃん」
「ケフェ、来てくれたんだ」
「来てくれたっていうか、無理矢理じゃない?」
そうだね、と笑うと、私は鳥居の横へ立った。
「いらっしゃいませ」
ぺこぺこ頭を下げていると、水色のお団子の髪、可愛らしい着物姿の少女が現れた。
「A」
「ラピス!」
「A、一緒にまわろ」
ラピスは手を引き、屋台に近づく。
「たこ焼き1つくださーい」
「はい」
500円玉を出し、ベレフからたこ焼きを受け取ると、ラピスは神社の自身の宮に入った。
「来て」
中は少し小さいが、綺麗な建物だ。ラピスは椅子にちょこんと座る。
「美味しいね」
ラピスは2、3個のたこ焼きを口に含んだ。
「ちゃんと噛んで食べてよ…」
「分かってる」
私も1個、口にいれた。
ベレフは料理が上手い。というか色々上手い。ベレフは「サンタクロース」と呼ばれており、クリスマスになると皆にご馳走している。それは母さんまでも絶賛する絶品で、屋台では、確実にベレフの店が賑わっているのである。
「ぺリプ美味しそうだよね」
「ラピス…」
ぺリプは鳥の神だ。よくディスられている。
「そ、そうだ。ザベのハンドメイドショップ、あとで行こうよ」
「いいよ、A」
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作者名:雪乃妃萌乃 | 作成日時:2020年12月22日 19時