第九十六訓「人の話をちゃんと聞け」 ページ46
「銀さんんん!!」
ヘリに突っ込んだ銀時は木刀で万斉を押さえ込んだ。
しかし万斉も銀時の肩に刃を貫き抵抗する。
「白夜叉ァァ!!貴様は何がために戦う!何がために命をかける!この国に護る価値など最早ない!この国は腹を切らねばならぬ!!」
「死にてーなら一人で練炭自 殺でもなんでもしやがれ」
「………坂田銀時、貴様は亡霊でござる。ぬしの護るべきものなど、もうありはしない。亡霊は、帰るべき所へ帰れェェェェ!!」
銀時の肩を貫いたままの刃を上へと押し上げた。
血飛沫を上げながら、銀時はヘリから落下していく。
留めだと万斉は三味線を取った時だった。
弦がピンっと万斉とヘリを結び付けていた。
「オイ………兄ちゃん、ヘッドホンをとれコノヤロー」
砂埃の中から銀時が現れ、手の木刀の先には万斉を拘束している弦が結び付いている。
「耳の穴かっぽじってよぉく、きけ。俺ァ安い国なんぞのために戦った事は一度たりともねェ。国が滅ぼうが侍が滅ぼうが、どうでもいいんだよ。俺ァ昔っから、」
全身の力を入れ、弦を引っ張りヘリも一緒に引っ張られる。
「今も昔も、俺の護るもんは何一つ、変わっちゃいねェェェ!!」
ヘリを地面に叩き付けた。
ヘリは勿論大破、万斉が生きていたとしても、攻撃出来るほどの元気はないだろう。
無茶苦茶な光景に土方は開いた口も塞がらない状態で見ていたが、伊東が最後の喝を入れる。
「何をしている、ボヤボヤするな。副長、指揮を………」
「総員に告ぐぅ!!敵の大将は討ち取った!!最早敵は統率を失った烏合の衆!!一気にたたみかけろォ!!」
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作者名:憐 | 作成日時:2014年3月12日 2時