第八十七訓「長所と短所は紙一重」 ページ37
爆発の混乱の中、なんとか近藤を連れ出し前の車両へ避難した。
誰も居ない車両に着き、近藤は沖田に背を向けたままこの事態の原因は自分だと謝罪した。
その言葉を聞いて、扉を施錠し、車両の連結を解いた。
「近藤さん、大将の首とられたら戦は負けだ。ここは引き下がっておくんなせェ」
「ふざけるな開けろ!!」
「近藤さん、だから何度も言ったでしょ。アンタの悪い所は人が良すぎるとこだって。だがそんなアンタだからこそ俺達ゃ集まったんだ。そんなアンタだからこそ一緒に戦ってきたんだ。そんなアンタだからこそ、命張って護る甲斐があるのさァ」
近藤の呼ぶ声を背に受け、沖田は伊東の元へ戻る。
すると列車の後方からバイク音が聞こえ、鬼兵隊がやって来た。
その数は沖田一人では片付けきれない数だ。
しかしそんな状況でも薄く笑う。
鬼兵隊の後ろから聞こえた爆発音。
煙の中から現れたのは一台のパトカー。
「御用改めであるぅぅぅ!!」
「てめーらァァァ神妙にお縄につきやがれ!!」
少々間違っているが、まぁ、勘弁してくれよ。
バカを此処まで連れてきたんだ。
少しの間も格好が付かないバカをな。
そんな土方の姿を見て、沖田は何となく気が楽になった。
「…チッ、目障りなのがゾロゾロと。だが奴等潰すには、軍隊一個あっても足らねーぜ」
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作者名:憐 | 作成日時:2014年3月12日 2時