人狼ゲーム【クラシカロイド】 (ページ3)

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1:終わりの始まり。ページ3

家族皆で楽しく暮らして、美味しいご飯を食べて、

大好きな彼がいて。

本当に幸せな日々だった。

この放送があるまでは。

『人狼ゲームを始めます。皆さん、席に着いてください。』

目が覚めると、私達がいたのは無機質
な白い部屋の中。

皆別々のところにいたはずなのになぜか皆、ここに集められている。

バッハさんやミツルさん。歌苗ママや歌苗バパまで。

『全員席に着きましたか？

では今からルール説明をするので、くれぐれも私語を慎んで……』

「待て。俺達はそのようなゲームをやるつもりはない。今すぐ音羽館に帰せ！」

怒りを孕んだ、ベトの声。

「人狼ゲームって…… 一体なんなの？」

歌苗がおそるおそる聞く。

「……… 元はカードゲーム。各それぞれの役職があって、人狼側と村人側に別れるんだ。」

チョッちゃんが軽く説明する。

「なんだ、ただのカードゲームだったら皆平和に……」

『…… 勘違いしないでください。

あなた方に今からやってもらうのは“リアル人狼ゲーム”です。これは遊びじゃない。』

奏助の弾んだ声を制したのは、あの無機質な声。

皆、徐々に状況が把握できてきたらしく、私自身も事の重大さを身に染みて体感している。

重たい沈黙の中、私はこっそり斜め後ろを向いた。

「……… A。」

モツはそっと私の名前を呼ぶと、静かに微笑んだ。

……… 大丈夫。

きっと皆とまた、幸せな日常をおくるんだ………。

『それでは皆さん、各自の部屋に行き、自分の役職を確認してきてください。』