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延長線上 9 ページ9

意味が分からない、いや、分かるのだけど意図が分からない。目を二度程瞬いて「何言って...」と怪訝な顔をしてみるが、頭の中は混乱で機能を為していなかった。

「コネシマ、まだ酔ってるの」
「いや酔うてへんけど」
「じゃ、じゃあ何で」
「何でて言われても、試してみようてだけやん」

私が疑い深く詮索すると、コネシマは居心地悪そうにして「のれよ何かハズいわ」と言ってそっぽを向く。それがどうにも中学男子のようで可愛く見えてしまうのが悔しい。

「いい、よ」
「は、ええん?!」
「私だってそんな子供じゃないもん」
「余裕かましてきやがるな」

先程とは変わって吹き出すように眉を下げてコネシマが笑う。余裕をかましていると言われるが、内心は穏やかで無かった。いやもちろん初めてではないのだけれど、何だか背徳的である。意地っ張りな性格故に見栄を張っているだけである。

「じゃあ、いくで」
「え、あ、ほんとに、いやまあ、いいけど」
「お前なんなん、うるさいなあ。しにくいから、ちょお黙っとき」

そう咎められ、口をつぐむ。らしくもなく、バクバクする心臓を抑えようと努めるも全く上手くいかない。肩を掴まれ、コネシマの恨めしくも整った顔が近付いてくる。「目ぇ閉じて」吐息を感じるような距離でいつもよりワントーン低い声がくすぐったい。ぎゅっと強く目を瞑り、これでもかと言うほどに身構える。

「なんてな、ばーか、ガチガチのやつにするわけないやろ」
「んなっ.....」

ぴん、とデコピンでおでこを弾かれる。おでこを押さえて、唖然としているとコネシマは呆れたように笑みを浮かべた。

「ガチガチなんかじゃないし!」
「いやお前相当焦ってたろ、分かるわ」
「や、それは、さあ!」

確かに緊張していた。柄にもなく、信じられないくらいに心臓がうるさかった。しかしそんなこと絶対に言ってやるものか。コネシマはニヤニヤと意地悪く「なあ、すると思った?すると思った?」と聞いてくるので、ハーゲンダッツのゴミの入ったビニール袋でコネシマの背中を殴る。「あほ!コネシマのばーーか!!」という幼稚な言葉しか出てこない。

「はっは、悪いて。帰ろか、な?」
「やっぱりコネシマなんか御免だから!」
「はいはい、俺もやで」

あのコネシマに軽くあしらわれるのが逆に腹立つ。ずんずんと先に歩いて行く。後ろからコネシマの声が聞こえるが知るもんか。

「.....あの顔はズルやん」

だから、コネシマがそう呟いたことも知る由もない。

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まつ(プロフ) - 完結おめでとうございます!香さんの書く文章が本当に大好きです。次回作が最後になってしまうのは悲しいですが楽しみに待っています!お疲れ様でした!! (2018年8月26日 11時) (レス) id: cd163d6252 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - 香さんのコネシマめっちゃ好きです。更新とても嬉しかったです!この先の展開も気になります!笑 (2017年12月26日 0時) (レス) id: 3e7c414859 (このIDを非表示/違反報告)
みいろ - 夢主ちゃんとコネシマの絡みが好きすぎて禿げそうです…更新頑張ってください! (2017年4月27日 23時) (レス) id: 538187bfc9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2017年4月20日 23時

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