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延長線上 7 ページ7

「合コン、ね。全然ダメだった、というか、全く楽しくなかった.....」
「話合う奴すらおかんかったんか?」
「いや、いたんだけど...何かな、男の人皆ギラギラしてるっていうか...」
「そりゃあそうやろ、合コンなんやから」

そう、そうなのだ。私だって相手を見つけるために意気揚々と乗り込んだはずなのだが、いざ目の前にしたガンガン話しかけてくる男の人に参ってしまったのだ。

「最後にね、これから二人でどうですかって言ってくれた人がいてね」
「なっ、い、行ったんか」
「いやいや、無理だった。折角言ってくれたのに断っちゃったもん」

我ながら情けない話であるが、怖気づいてしまったのである。コネシマは心なしか安堵したように息をついてビールを飲み干す。「何か今日ペース早くない?」と聞くが、コネシマは聞く耳を持とうとしない。

「俺もなあ、この前告白された女の子に良い飯屋あるからって誘われて、ついてったんねん」
「ほう」
「ついてった先がな、個室の部屋やって」
「うっわ、狙ってるなあ〜〜」
「それでな、俺押し倒されてな」

それを聞いて飲みかけていたビールが気管の変な所に入り、咽返る。おしぼりで口元を抑えていると、「お、おい大丈夫なん」とコネシマの焦る声が聞こえるが、そんなことはどうだっていい。今、コネシマは何と言ったのだ。

「お、押し倒された?!」
「せやから、押し返して速攻で逃げたわ。あ、もちろんお代は俺が払った、さすがにみっともないからな」
「コネシマのそういう無駄にかっこつけるとこ嫌いじゃないよ」

男が女に押し倒される時点で立場が危ういが、最近の若者は皆こうも肉食系なのか。もう肉食系という表現では物足りないレベルである。猛獣そのものだ。ああ恐ろしい。身震いすると、それはコネシマも同じなのか、顔を青くさせていた。

「俺もう婿に行けんかなあ...」
「いやそれなら私が貰ってあげるから」
「それは嫌や....」
「張り倒すよ」

睨みをきかせれば、先程とは違う理由でコネシマは震え上がる。「はーあ」なんて変に大袈裟な私のあからさまなため息にコネシマは「しゃーないな」と眉を寄せる。

「今日の帰り、コンビニでハーゲンダッツ奢ったるわ」
「やった」

「ストロベリーね」と注文を押し付ければ「あっま」とコネシマは私とは反対に苦い顔をする。私は甘いものは苦手であるが、ハーゲンダッツに対しては全く別の味覚を持つ。そこのみがコネシマと唯一味覚が合わない点であった。

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まつ(プロフ) - 完結おめでとうございます!香さんの書く文章が本当に大好きです。次回作が最後になってしまうのは悲しいですが楽しみに待っています!お疲れ様でした!! (2018年8月26日 11時) (レス) id: cd163d6252 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - 香さんのコネシマめっちゃ好きです。更新とても嬉しかったです!この先の展開も気になります!笑 (2017年12月26日 0時) (レス) id: 3e7c414859 (このIDを非表示/違反報告)
みいろ - 夢主ちゃんとコネシマの絡みが好きすぎて禿げそうです…更新頑張ってください! (2017年4月27日 23時) (レス) id: 538187bfc9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2017年4月20日 23時

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