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延長線上 28 ページ28

その週末、飲み会の日だ。友人によれば、誘った人が更に人を誘うもんで、予定よりも人数が大幅に増えて幹事役がてんてこまいになりながら奔走したらしい。お店は駅前の居酒屋だ。1階はカウンターやテーブルが置かれていて、2階が宴会会場になっており、宴会などが頻繁に行われる季節柄でもないため、何とかこの場所を押さえられたという。
友人と一緒に店内に入れば、既に人は集まりだしていた。顔見知りが多い中でいつもはスーツやオフィス用の服である面々が、私服なのは新鮮だと思って周りを見渡しながら適当な場所に腰を降ろすと、後ろから「Aさん」と声をかけられた。

「先輩」
「隣いいかな?って言っても、俺幹事だからすぐ行かなきゃなんだけど」
「全然どうぞ!先輩が幹事役だったんですね」

例の先輩だ。友人は気を利かせたつもりなのか、そそくさと私から離れていく。そんな友人に呆れつつ、「ここまで人数増えると大変でしたよね」と言えば、先輩は肯定も否定もせずにただ笑ってみせた。

「まあAさんが来てくれたし、結界オーライかな」

目尻に皺が寄って、笑う顔は柔らかくて優しい。しかし呆けて何も言えない内に、乾杯の音頭をとるということで呼ばれ、「じゃあまた後で」と行ってしまう。本当にすぐ行ってしまったな、と友人に置いて行かれたままでいると、先輩と入れ替わるように今度は小籠さんが私の隣にどすんと音を立てて座った。

「Aさんもやるね、あれ企画部の人やろ。女子社員からモテモテの」
「小籠さん。先輩はそんなんじゃ...」
「ああいうのと付き合うのが無難だわな、コネシマなんかでええん?」

私の話を聞こうとせずに小籠さんが目をやった方には丁度乾杯の音頭をとる先輩がいる。いつ見ても端正な顔立ちに変わりない。先輩の声に合わせて、「乾杯!」といくつもの声が重なる。私と小籠さんもそれにならい、周りに合わせて注がれたお酒を煽る。一段落して、ふと疑問になったことを聞いた。

「コネシマから私のこと何か聞いてるの?」
「へ?」
「いや、さっきコネシマでいいのかって」
「ああ、ただAさんとコネシマ仲良いからそうなんかなって....でもAさんがそう言うってことは.....」

あ、しまった。そう瞬間的に思った。我ながら見事に墓穴を掘ったと言えよう。案の定、「何かあったんや」と興味津々な顔で言う小籠さんを見ると、もう言い逃れできそうにない。

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まつ(プロフ) - 完結おめでとうございます!香さんの書く文章が本当に大好きです。次回作が最後になってしまうのは悲しいですが楽しみに待っています!お疲れ様でした!! (2018年8月26日 11時) (レス) id: cd163d6252 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - 香さんのコネシマめっちゃ好きです。更新とても嬉しかったです!この先の展開も気になります!笑 (2017年12月26日 0時) (レス) id: 3e7c414859 (このIDを非表示/違反報告)
みいろ - 夢主ちゃんとコネシマの絡みが好きすぎて禿げそうです…更新頑張ってください! (2017年4月27日 23時) (レス) id: 538187bfc9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2017年4月20日 23時

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