延長線上 21 ページ21
「...なんかコネシマの家来るの久しぶりかも」
「昔はよくサークルの奴らと夜通しゲームしてたなあ」
薄く記憶に残っているコネシマの家の場所はそのまま変わらずであった。引っ越さないのかと聞いても、面倒くさいの一点張りであったこの男なら不思議でもない。その場の勢いのみでここまで来てしまったが、今になって後悔が募る。とりあえずは、というか絶対に泊まるつもりもないし、そのようや事態には陥らないであろう。
何せ、私がコネシマにはっきりとした返事をしないのは、拒否に近しいものがあるとコネシマも感じているはずだ。本当のところは、まだぐだぐだと思い悩んでいる節があるからなのだが、致し方ない。
「ん、今何時や」
「七時だよ」
「終電は？」
「うーん、十二時前後かな」
頑張って定時に帰った割にあんま時間無いやん、そうコネシマは言いつつ部屋の鍵を開ける。終電の時間を確認してくる辺り、コネシマも本当にゲームをするだけのつもりだろう。何だか拍子抜けしてしまう。安堵感がやってくるが、それと同時に落胆の気がある自分を殴りたい。何に落胆しているというのだ。
「へえ、意外と綺麗にしてるんだね」
「意外とって何や」
思ってたよりもすっきりと整頓されていた部屋に声を上げれば、コネシマは私の頭を小突いた。コネシマは私に適当に座るように促し、帰りに買った缶ビールやチューハイをつまみと一緒にテーブルに置いた。
「ストーリーモードなんてあったっけ」
「何か新しく追加されたみたいやで」
「えー、いいな」
「時間無いからまた今度な」
私の好きなゲームの新作というのは、所謂格ゲーである。あまり女子ウケしない格ゲーであり、共有できる友人も少ない。買うにしても一緒に遊べる友人もいないため、新作を買うのを渋っていたのだ。慣れた手つきでゲームを操作していくコネシマを横目に缶ビールを飲む。
「煙草吸ってきてもええ？」
「気にしないよ」
テレビ画面にゲームのトップが映し出される。ライターのカチッという音が聞こえる。煙草を吸うコネシマの横顔は大人っぽい。大きな手や憂いを帯びたような目も、前までは意識してこなかったくせに。調子が狂うな、なんて考えはゲームをやっている内に消えてくれればいい。
＊
多くのhit数ありがとうございます。
放置してたの思い出して久しぶりに更新しました。完結まで何とか更新できたらいいなと思います。
少しの間、またよろしくお願いします。
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まつ(プロフ) - 完結おめでとうございます！香さんの書く文章が本当に大好きです。次回作が最後になってしまうのは悲しいですが楽しみに待っています！お疲れ様でした！！ (2018年8月26日 11時) (
レス) id: cd163d6252 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - 香さんのコネシマめっちゃ好きです。更新とても嬉しかったです！この先の展開も気になります！笑 (2017年12月26日 0時) (レス) id: 3e7c414859 (このIDを非表示/違反報告)
みいろ - 夢主ちゃんとコネシマの絡みが好きすぎて禿げそうです…更新頑張ってください! (2017年4月27日 23時) (レス) id: 538187bfc9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：香 | 作成日時：2017年4月20日 23時
