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延長線上 20 ページ20

不思議に思ったのか先輩は、じゃあまた連絡するよ、とだけ言って先に歩いて行く。ああ申し訳ないことをしたな、なんてぼんやりと思った。断る理由も特に無いはずだと言うのに。

「返事しなくて良かったん?」
「なっ、コネシマ」

後ろからした声に思わず振り返る。いつものごとく気怠そうに欠伸をするコネシマは、ありゃ男前やな、と目を細めた。

「家に誘うなんて、もう、なあ、狙ってるやろ」
「せ、先輩はあんたみたいに手が早くないの」
「そうかあ?俺やったら好きな子家に誘うって、そういう気が少なからずあるわ」
「あんた普通にそういうこと言うよね...」

ドン引きされるよ、とふざけながら言いつつもどこかやりきれない気持ちである。コネシマは、付き合い長い奴にしか言えんな、と軽く笑った。告白してきたかと思えば、腹の中は全く分からない。ばか、と悪態をついて歩を進める。良かった、これならまだやっていける。まだ、大丈夫だ。服の裾をぎゅっと握り締めて、それを解き安堵の息を漏らす。思ってたよりも私は緊張していたらしい。

「あ、そうだA。明日有休消化の日やろ?」
「...そうだけど」
「なら今日俺の家来いひん?」
「は」

この会話の流れで何を言っているんだ。確かに明日は溜まった有休を消化するよう言われて休みだ。しかし、こいつはさっき自分の言ったことをもう忘れたと言うのか。先日私を好きだと言っておいて、家に誘うって、それは、何というか。

「や、やだよ」
「なんで」
「だって...」

コネシマはまるで何のことかという風を装っているが、内心私の反応を楽しんでいるに違いない。それかただ単に馬鹿なのだろうか。そうであってほしい。そうでなければ困る。焦りが出たのか私は歩く足を速める。

「Aが好きなゲームの新作が出たから一緒にやりたくて」
「えっ、いや、でも」
「何なん、前はよく一緒にやったやん」

そうだけど、そうではない。今と前では違うのだ。何が違うかと言われたら困るけど、絶対的に意識の違いがある。私が仏頂面でいると、コネシマも察したのか、ああ、と納得したような相槌を打った。

「なに、A変なこと考えてるん?」
「ばっか、違う!そんなんじゃない!」
「や、冗談やって。別に好きだからって手出さんわ」

そう真っ直ぐに言われても困る。コネシマに振り回されてばかりで癪だ。何でこんなに私が翻弄されているんだ。もうここまで来たら、ただの意地だ。覚悟を決めてやる。

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まつ(プロフ) - 完結おめでとうございます!香さんの書く文章が本当に大好きです。次回作が最後になってしまうのは悲しいですが楽しみに待っています!お疲れ様でした!! (2018年8月26日 11時) (レス) id: cd163d6252 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - 香さんのコネシマめっちゃ好きです。更新とても嬉しかったです!この先の展開も気になります!笑 (2017年12月26日 0時) (レス) id: 3e7c414859 (このIDを非表示/違反報告)
みいろ - 夢主ちゃんとコネシマの絡みが好きすぎて禿げそうです…更新頑張ってください! (2017年4月27日 23時) (レス) id: 538187bfc9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2017年4月20日 23時

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