延長線上 16 ページ16
「ま、あんたみたいなガキとは違ったって話」
「はー、よく言うな。Aも大概やろ」
「ちょっとさあ、コネシマ私に好かれる気有るの？」
「あるある、めっちゃある」
白々しい目でコネシマを見つめると、コネシマは膨れたように「なんや」と目だけこちらを見た。私はそれにあからさまにため息をつく。これでは、お互いがお互いを好きになろう、と言われた時は妙にドキドキしでしまったのが馬鹿みたいではないか。
「...あるように見えないんだけど」
私はそう言って日本酒を煽る。飲み干したおちょこをテーブルに置くと、コネシマが「ん」とつぎ足した。「ありがと」小さな声で言えば、コネシマは「ほらなあ」とコネシマがニヤリと笑った。
「俺好かれたくない奴に、気を利かせて酒注がんわ」
「それ、別に私じゃなくたってするでしょ」
「あっほやな、こんなん一例に過ぎんわ」
言われて思い返してみる。コネシマに優しくされたことなど、あるだろうか。うーん、と唸ってみる。軽口は叩かれてばかりだし、ガキだのと馬鹿にだったされてばかりだ。
いやしかし、話は何だかんだと聞いてくれるし、最初は面倒そうにしていても結局は親身になってくれる。飲みにだって付き合ってくれるし、私が酔っ払ったら送ってくれる。待て、そもそも私、毎回送ってもらっていないか？そこまで考えて息を呑む。
「俺な、お前に好かれたくて結構必死やねんぞ」
ずい、とテーブル越しに近付く。頬が紅潮するのが自分でもよく分かる、さすがにここまでくると酒のせいだと言い訳はできまい。目を泳がしてから、ちらりとコネシマの方を見るとコネシマはしっかりと私を見つめていた。
「そ、そんなに私と結婚したいなら、あと一年....もないな、あと半年とちょっと待てばいいじゃん」
「待てないから言うとるんやろ」
茶化すような軽い雰囲気で言ったつもりだったのに、コネシマの声は存外にも真面目である。「な、なんで」と戸惑って聞けば、コネシマは先程の私の真似をするかのように大きく息をつく。
「あの先輩だか何だか知らんけど、そいつにA取られるんは嫌やねん」
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まつ(プロフ) - 完結おめでとうございます！香さんの書く文章が本当に大好きです。次回作が最後になってしまうのは悲しいですが楽しみに待っています！お疲れ様でした！！ (2018年8月26日 11時) (
レス) id: cd163d6252 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - 香さんのコネシマめっちゃ好きです。更新とても嬉しかったです！この先の展開も気になります！笑 (2017年12月26日 0時) (レス) id: 3e7c414859 (このIDを非表示/違反報告)
みいろ - 夢主ちゃんとコネシマの絡みが好きすぎて禿げそうです…更新頑張ってください! (2017年4月27日 23時) (レス) id: 538187bfc9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：香 | 作成日時：2017年4月20日 23時
