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2話 しゃもじは世界を救う2 ページ5




「ぎ、銀太……」



離れようとするも腕の力は緩まず、寧ろ強くなる一方だった。



「……分かった」

「! そしたら、「国には帰る」え、」

「でも……戻って来る。きっとその時にはしゃもじが使えるようになってるよ」



そう言うと銀太の腕が少しだけ緩む。

その隙に銀太から離れて庭に出る。庭には沢山のしゃもじが並んでいた。



「王女! お待ちしておりました。さぁ、我々と参りましょう!」

「ええ」

「未華子!!」

「銀太、ちゃんと浮気せんで待っとってね」

「当たり前だろ!! ……俺、お前が戻って来るまでしゃもじの事とか色々勉強するから!」

「うん……!!」



その言葉を最後に私は国へと帰った。








銀太side



未華子が国に帰ってから3年。

俺は20歳になり今は大学に通っている。


変わった事が2つある。

1つは食生活。俺んちは母子家庭だからメシは自分で作るようにしていた。が、未華子が居た時は美味しい飯をアイツが作ってくれていた為栄養バランス等の偏りがなく健康的な食生活だった。

しかし居なくなってからはつい適当になってしまい、いつも同じようなものしか食べなくなってしまった。


そしてもう1つは……



「今日もありがとな……″しゃもじ″」



しゃもじの乱の終戦だ。

未華子が国に帰ってから1年が経った頃、ようやく世界中にしゃもじの素晴らしさが伝わり、人間としゃもじの間で友情と言う名の協定が結ばれた。


しかし未華子は帰って来なかった。しゃもじとの協定が結ばれて未華子が帰って来る!とワクワクしていたのだが2年経った今でも帰って来ない。

そんな事を思いながら今日もいつも通り過ごしていると



「ん? 誰だ?」



スマホの通知が鳴り見てみると知らない奴からのメールだった。



″昔よく遊んだ公園で待ってます。ちゃんと来てね銀太″



「……! 未華子、!」



それからはもう必死だった。無我夢中で公園まで走った。あのメールが未華子からだなんて確証はない。それでも、俺の勘が未華子だって言ってる。



「未華子!!!!」

「!……銀太、ただいま……!」

「ああ、おかえり」



fin

3話 九条先生と銀八先生と小説→←1話 しゃもじは世界を救う



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睡眠足りない布団好き女子(プロフ) - C7U.さん» ありがとうございます!コメント2回目ですよね!?嬉しいです!今作も頑張って書きますね! (2021年8月16日 17時) (レス) id: 59dd10e08e (このIDを非表示/違反報告)
C7U.(プロフ) - 今作もとても面白かったです!本編もpixivもいつも楽しみにしています!これからも頑張ってください!私もこんな小説が書けるようになりたいです! (2021年8月16日 17時) (レス) id: a0eb48f8b5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:睡眠足りない布団好き女子 | 作成日時:2021年8月13日 0時

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