do not care 14 ページ16
フロイド・リーチから見て、A・レカルドは興味の対象ではなかった。いや、どちらかと言えば印象が薄く彼の目には入ってなかったのだ。監督生のように異界から来たという派手な事実もなく、ただひっそりと、学園にいた……最悪自分より弱い存在だと認識していた。
だがそれはすぐ覆されたのだ。
その弱い存在が、自分の知らない魔法で強者である自分を攻撃しようとしている。
「(いやちげーわ………)」
否、自分はこの人間の前では強者になれないと認識した。向こうから見たらこちらはただの餌だ。立場は簡単に逆転したのだ。
圧倒的に違う力の差で。
『フロイド君?フロイド君………?君、次移動でしょ?遅刻したらクルーウェル先生に怒られるわよ?そんな所でしゃがみこんでないで早く行きなさい』
俺の位置に合わせてしゃがみこんで、顔を見る先生に
(俺より低い身長で、小軽で華奢なのに、どこにあんな力を持ってんだろ?)
なんてことをボーッと思ってた。
『次の授業頑張ってね』
教師はそう言うとフロイドの頭を撫で、コツコツとヒールをならし次の授業へ向かった。
────
「はー……………好き」
「あ?フロイド、君は何を言ってるんだい?この僕と作業しているんだ、失敗は許さないしよそ見をするな」
「え〜俺に命令しないでよーてかさ、金魚ちゃん分量間違えてるよ〜?」
他の事に熱心になっているようで、この男はよく見ていると心の中で舌打ちしてしまった。
しかし、この男のペースに合わせるほど僕は器用じゃない。本来ならば、この男と組むなんて絶対嫌なのに
「リドルさん、フロイドをお願いします」
あの片割れにそう言われれば仕方ない。断ったら後でなにかされそうだし。いや、何かされても僕なら大丈夫だが。
「ねぇー金魚ちゃん」
「………………」
「きーんぎょーちゃーん」
「………………なに?」
「あっ、よかった〜聞こえてたー金魚ちゃん耳ないのかと思った〜」
この男オフりたい………何故こうも一言多いのだろう
(※オフヴィズユアヘッドの略)
「金魚ちゃんはさー、ラブカ先生どう思う〜?」
「誰だいそれは………」
この男は人を海の魚の名前で呼ぶことが多い。例えばうちの寮のエースとデュースをカニやサバなど………そう考えるとなぜ僕は金魚なのだろう?
「え〜A先生のことだよ」
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如月楓(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです! 更新頑張ってください! 応援してます❗ (2023年4月6日 0時) (レス) @page50 id: ad808662e3 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - 初コメント失礼します。本当に綺麗なお話です。キャラクターに人間らしさというものが綺麗に表現されていて、とても心が惹き付けられました。これからのご活動も心より応援しております。いつかネムさんが明るい気持ちで帰ってきてくださることを心から願っております。 (2023年2月7日 1時) (レス) @page50 id: 0d9b393e0f (このIDを非表示/違反報告)
雷雨 - お姉様…?ネムさんの作品ほぼ見させていただいたのですが、とても面白いです!続きは出ないのでしょうか…? (2022年5月15日 20時) (レス) @page50 id: afa040ec2a (このIDを非表示/違反報告)
もんみ(プロフ) - 面白いです!続編は出ないんてしょうか? (2021年8月24日 20時) (レス) id: 8a61fa6983 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅぺっと狐(プロフ) - 一気読みしちゃいました!とても面白かったです!「終わり」となっていますが、この物語の続編はでませんか…? (2021年7月28日 21時) (レス) id: c8c58a6bc9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネム | 作成日時:2021年1月16日 18時