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何も相談してくれなかった ページ43

一郎side


「え、そんなことが?」

「ああ。三郎は何でAについて知ってる人が来たら知らないフリをしろって言ったんだ?誰かから聞いたのか?」


三郎が学校から帰ってきて、夕飯の時間になった時にいつも通り3人で食卓を囲んでいる。


俺は昼間の疑問を三郎にぶつけた。


三郎は少し驚いた顔をして、少し考える素振りを見せた。


二郎はいつもならさっさと言えよ!とか急かすのだが、今回は何も言わずご飯を口に入れる。


三郎は箸を置いて俺を見る。


「シブヤの……FlingPosseの、有栖川帝統に言われました。Aさんが去ってからしばらくした時です。『もしここに女が来たらシラを切ってくれ。頼む』と頭を下げてきました」


有栖川帝統が?


何故?


Aと何か関わりがあったのか?


何でAの母親がここに来るかもしれないと分かったんだ?


……どうして?


「僕は、何でそれをお前に言われなきゃいけないんだと聞きました」

「そしたら?」


二郎は三郎を見る。


俺は何を言えず、少し開いた口を閉じることも出来なかった。三郎が放つ言葉を待った。


「『Aは……俺にとって大事な、人だから』。そう言ってました。もしかしたら2人は恋人同士なのかもしれませんね。
僕なりに調べてはみましたが、如何せん2人とも情報が少ないし、有栖川については出生が全く不明ですし……最近分かったことはAさんが夜職を始めてもう既に辞めたということだけでした」


俺はぐるぐると回る思考回路を纏められずに呆然とした。


Aは有栖川にとって大事な人?


2人は恋人同士かもしれない?


そして、Aは夜職へ……?


どうして俺に何も相談してくれなかったんだ!


三郎は味噌汁を飲む。


二郎はあーと声を上げる。


「あー、俺そういえば小耳に挟んだけどよ、有栖川って今行方不明らしいな。もうすぐでディビジョンバトル始まるってのに全く連絡が取れねーらしいぜ。Aと恋人なら夜職辞めたっつーやつ、もしかしたら2人でどっか行っちまったのかな。あのギャンブラーなら有り得るぜ」


俺の額に汗が伝う。


2人は駆け落ち?


このまま俺はもうAに会えないのか。


そんなの有り得ねぇ、だってA言ってたじゃないか。


『うん、会えるよ。私はっ、一郎にまた私と会って欲しいよ』


また俺と会ってくれるって!


俺は夕飯全てを飲むように食べて部屋へと足早に向かった。


俺の様子に2人はあんぐり口を開けていた。

似た者同士→←俺だって



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海老天ぷら - おと姫と愉快なサカナたちさん» ありがとうございます!嬉しいですっ!不定期更新ですが、がんばります! (2021年12月10日 19時) (レス) @page35 id: 8ac8a7e5a1 (このIDを非表示/違反報告)
おと姫と愉快なサカナたち(プロフ) - すごく引き込まれます…更新頑張ってください!! (2021年11月9日 7時) (レス) @page34 id: e21618e8ed (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:海老天ぷら | 作成日時:2021年1月28日 10時

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