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駆け落ち ページ39

「……じゃ、ここじゃないどっかに行くか」

「え?」

「お前、息苦しそうだぜ。まあ正直俺もここ最近色々飽きてきたからどこか行こうと思ってたからな。一緒に行くか?」

「……う、うん。行く。帝統と、一緒に行く」


そう言うと帝統は優しく微笑んだ。


会計を済ませて、2人で手を繋いでここではないどっかに行くために歩き出した。


……


乱数side


「え゛!?」

「ですから、帝統が行方知れずです。今回は完璧な」

「はぁー?もう数日でバトル始まるんだけど!?」

「それは小生も思っています。普段からそこまで連絡は取れないですが今回は全く取れませんし、帝統が仲良くしていた賭場のおじさんに話を聞いてみると最近はめっきり見てないとしか」


俺は深い溜息を吐きだす。


……もしかして。


「ねえねえ幻太郎!今日この間行ったキャバクラ行こっ!」

「は?」


頭の中にはてなばかりを浮かべている幻太郎を連れて夜の街へと駆け出した。


あの女の源氏名を呼んで指名をしようとすると、彼女はもう辞めたと言われた。


「申し訳ございません……」

「えぇっ、一体いつからー?」

「確か……」


ボーイが話す言葉を聞くと幻太郎は少し目を見開く。


俺も同じように少し目を見開く。


丁度帝統が姿を見せなくなったのもその辺の時期だった。


ただ、確証がないからそうとは言えないが、もしかしたら……。


「「もしかして、2人でどこかへ行った?」」


2人の声がハモる。


ただ、どこへ行ったのか。全く検討がつかない。


「というかあれですよねえ、小生たちって、帝統のこと何も知りませんよね」

「……そーだね」


本当にそうだ。


俺がいくら探りを入れようと、帝統は帝統の口から自分のことは全く話さなかった。


俺は勿論帝統の正体を知っている。


だが、その正体を俺は帝統自身の口から聞きたかった。


……帝統という人間のことが分からないから、どこに行ったのかなんて分かるはずがなかった。


ましてやあの女と一緒というならば、余計に分かるはずがない。


帝統が女と駆け落ちするような質には俺にはどうしても思えなかった。

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海老天ぷら - おと姫と愉快なサカナたちさん» ありがとうございます!嬉しいですっ!不定期更新ですが、がんばります! (2021年12月10日 19時) (レス) @page35 id: 8ac8a7e5a1 (このIDを非表示/違反報告)
おと姫と愉快なサカナたち(プロフ) - すごく引き込まれます…更新頑張ってください!! (2021年11月9日 7時) (レス) @page34 id: e21618e8ed (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:海老天ぷら | 作成日時:2021年1月28日 10時

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