【ヒプノシスマイク】傷みは隠さない【有栖川帝統】 (ページ4)

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サンドイッチページ4

ゴミ捨て場に横たわる男に距離をとりながら近づく。

男はゴミ捨て場で涙を浮かべながら私がやって来たことを喜んでいたので、少し気持ち悪いなと思った。

｢気づいてくれてマジ有難いぜー！なあなあなんか食うもん持ってねぇか？食えりゃ何でもいいんだ！頼む！｣

｢食べ物って言っても……｣

私はトートバッグに入れてあるビニール袋を思い出した。そのビニール袋の中にはコンビニの消費期限切れのサンドイッチ。廃棄すると言うので貰ってきた物だった。

私はそれを取り出して男に渡してみることにした。

｢これ、消費期限切れですけど……一応食べ物です｣

｢っかー！有難ぇ！！！いただきます！！！｣

物凄い勢いでサンドイッチを食べる男。ものの数秒で食べ終えていた。

男は満足そうに笑ってゴミ捨て場から立ち上がった。

｢へへっ悪ぃな、美味かったぜ。メシなんて久々に食ったなー｣

｢じゃあ私はこれで｣

｢あっ！待ってくれよ。俺は有栖川帝統。この借りはちゃんと返すぜ。なあ、名前教えてくれよ｣

｢え……いや、え？｣

名前を教えろと急かされる。私はやけくそになって名乗る。

男は満足気に笑うと、鼻息を荒くした。

｢あのさ金貸してくんね？！今なら大勝ちできる気がすんだよー！Aのおかげで腹も膨れたしよー｣

｢は？｣

初対面の人間に金をせびるか普通？

結局私は彼に金を貸してしまった。