私、自分嫌いなんで５【俺のスカート、どこ行った？】

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原田と田中が教室の扉を開けるといつものように2年3組は騒がしかった。

原田｢やってる！？｣

｢のぶおっ！！！｣

皆が久々の原田の姿に嬉しそうに近づいてくる。

原田｢皆、元気いっぱいじゃない？｣

明智｢やってる？じゃねぇーよ！笑｣

田中｢居酒屋じゃないんですから…｣

原田は、教壇の方に歩いていき、敬礼ポーズをして、こう言った。

原田｢原田のぶお、帰ってまいりました！｣

そう言うと皆は拍手で原田を称えた。
原田も生徒達を嬉しそうに見つめながらも、視線の先は窓側の一番後ろの席に向いていた。

原田｢皆、私のために署名とかしてくれたんだよね？ありがと！

で、帰ってきて一発目でなんなんですけど…



原田のぶお、学校辞めます！｣

原田の言葉にクラスは、しーんと静まり返る。

若林｢…はい？｣

東条｢いや、ちょっと待てよ…学校辞めるってどういうことだよ…｣

原田｢や、め、る、の！｣

東条｢意味わかんねぇよ…｣

川崎｢そうだよ…私たち色々頑張ったのに…｣

原田｢うん…ありがとう！｣

原田は、辞める理由を言おうとはしない。
そんな原田に近づく明智。

明智｢理由…聞かせてくれよ…卒業式ってやりたい事の1つだったんじゃねぇの？｣

原田｢もちろんそうよ？｣

若林｢じゃあ…なんで？｣

原田｢うん…やりたい事やっておこうと思って…今！

あれ？やめないで〜って感じ？
引き止める〜って感じ？｣

明智｢止めねぇよ？｣

明智の真剣な眼差し。

原田｢わぁお…｣

明智｢やりたい事あんなら、やればいいんじゃねぇの？

でもさ、1つ教えてくれよ……Aが学校に来ない理由知ってんだろ？｣

原田は、田中から出席簿を受け取り名前が書かれた名簿を見せた。
それを見た生徒達は驚きの表情を見せる。

川崎｢…ねぇ…なんでAの名前が消されてるの？｣

川崎の言う通り君澤の名前は修正テープで消されていた。

若林｢どういうこと…？｣

原田｢…君澤は、学校辞めたの！｣

原田の言葉に皆は理解が出来ない。

光岡｢…なんでっ！｣

原田｢…同じ過ちをしたくないって…言ってた。
あとは、秘密！あたしと、君澤の約束だからね！｣

原田のその言葉を聞いた明智は、いつになく悲しい表情になっていた。

第9話 END

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