私、自分嫌いなんで【俺のスカート、どこ行った？】

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｢あっ！あそこっ！｣

先生の声で皆が上を見上げる。
みんなが見上げる屋上には、若林に近づく原田がいた。

原田｢学校が私を辞めさせなかったらどうするの？｣

その問いに若林は戸惑う。

若林｢ぼ…僕はっっ｣

原田｢もし私が教師辞めないって言ったら、あんたはそこから飛び降りるの？｣

若林｢…っそうだっ！｣

原田｢だいたいなに？マスクのこと言われたぐらいで死にたくなったの？｣

若林｢あんたにとっては馬鹿なことでも…誰かにとっては大事なことってあるだろっ！？｣

原田｢どーだろ｣

若林｢あるんだよっっ！！｣

原田の言い方に若林がキレ気味に叫ぶ。

原田｢本当にあんた…死んでも私を辞めさせたいわけ？｣

若林は視線を逸らしながらも｢あぁ｣といった。

原田｢じゃあ、あんた死んで、私が首になったら…あんたはそれで嬉しいの？だった飛び降りるのが…1番確実に嬉しくなる方法だわ｣

若林は1歩屋上の縁まで踏み出す。

牛久保はカメラを回しながら、屋上で話す若林と原田の声を聞こうとしていた。

牛久保｢聞こえね…｣

明智もカメラを覗き込んでいた。


原田｢早く死になさいよ、嬉しいんでしょ？｣

若林｢黙れよっっ！あんたあんたうるさいんだよっ！｣

原田｢あんたビビってんじゃないの？顔引きつってるじゃないの？マスク取って顔見せなさいよ！｣

若林は静かに首を振った。

若林｢やだっ｣

若林の弱々しい否定に原田もなんで？と聞き返す。すると、若林は

若林｢顔が…っ、ムカつくから｣

と言った。原田が｢で？｣と聞き返す。

若林｢それで僕は…小学校も中学校も損ばかりしてきたんだよっ！！｣

原田｢顔で損得もないよ、って言いたいところだけど…残念ながら世の中そんなに甘くないんだよね〜｣

原田ら屋上の縁に座り若林に話しかける。

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