【MHA】RE:SET【男主】 (ページ31)

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30回目ページ31

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よく晴れた六月最後の日曜日、目前まで迫る暑気を予感させる気持ちのいい絶好のお出かけ日よりだ

楪藍色、初めて友だちとの勉強会が始まろうとしている

切島くん、爆豪くんと連絡を取り図書館で勉強する事になった

「頼むぜ、爆豪！」

「うっせーんだよ、クソ髪！」

日当たりのいい窓席で二人は隣、俺は爆豪くんの向かい側に座る

本を読んでいた周りの大人や子どもたちからの視線が静かにしろと物語っている

「すんません！」

切島くんが慌てて周囲に謝るけどその声も大きくて、おじいさんから苦笑される始末だ

日曜日と言うこともあってか、幼い子を連れた家族から学生、お年寄りまでまぁまぁの混雑具合

「なぁ、家じゃダメだったのかよ」

よく声が通る切島くんは、いつもより声を抑えて爆豪くんに聞く

「お前んちまで行ってられるか、めんどくせえ」

爆豪くんは平常運転である

「楪んちは？確か学校からかなり近いんだろ？」

「俺は慣れてるからいいけど…監視カメラに見続けられるのが平気なら」

「キメえこと言うな」

「じゃあお前んちでも」

「ババアがうるせえんだよ。チッ、ちゃっちゃと終わらせるからな」

切島くんがおう！と返事をすれば周囲の視線をまたしても集めてしまい謝った

「いちいち謝ってんじゃねーよ、バカか。あ、バカか」

「バカびゃねーよっ？バカじゃねーけど、お前よりはバカだから教えてもらうんじゃねーな」

…本当切島くん優しいよな

俺はそう思いながらとりあえずテキストのページを捲った

「一回しか教えねーならな、さっさとしろ」

「おう！……あ」

周囲の視線を気にしつつ、切島くんは持ってきた教科書を開いて、引っかかった問題を指差す

俺もその先を見てあぁと納得する、二次関数の応用だ

「いやー、数学さっぱりでよ」

「んなもん簡単だろ……」

そう言うと爆豪すんはわずかに考えてから、サラサラと答えを書きだした

こうだよ、言う爆豪くんに切島くんの目は点になった

「いや、答えじゃなくて、答えの出し方を教えてほしいんだって」

「答えなんて、まんま計算すりゃ出てくんじゃねーから、アホか」

そうして繰り返される会話に、楪はナチュラル天才爆豪勝己という男の何でわからないという態度に頭が痛くなりそうだ

「ここをパーッと計算してから、こっちをガーって計算すりゃいいだろが」

いや全くわからない、お前の脳みそどうなってるんだ

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