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気配だけだった呪霊が司の足元に現れ、その場が沼地のように凹む

構えていた司だったが、動こうにも底無し沼のように絡めとられ逆効果だと気づく

「“止まれ”」

さすが棘、声をかける前に察して進行を止めてくれた

「ありがと」

「明太子」

沈みかけていた司を棘が引き上げる

気配はあるのに姿を現さない呪霊

きっとこの場が奴の生得領域へと変わりつつあるのだ

完成される前に祓わなければ面倒なことになる

「棘、いくよ」

「しゃけ!」

!」

札を地面に貼り付け、一部の領域を破壊しその場で最も強い呪力の気配に印を重ねる

ようやく姿を現した呪霊は人に近い形をしており、司達の姿を見た瞬間、腕が裂けて口のような形状へと変わった

「っ…」

『ゎたし、しヲを。スキになっテぇエエエ』

呪いの変化した腕は縦横無尽に動き、周りの建物をも壊し煙が舞う

その隙に距離をとり、棘へと目配せをすると心配そうな顔をされる

「任せたよ」

棘の背中を叩き、僕は呪霊の視覚から煙に乗じて気配を消す

煙が晴れると呪霊は棘を見つけ、一目散に攻撃を仕掛ける

「“動くな“」

攻撃は届くことなく呪霊は動きを停止して、その懐を狙って司が札を貼り付けようとする

「ぅお!?」

だが突然足場が始めの時のようにぬかるみ、体制を崩してしまう

札が落ちて地に沈んでしまい、棘への負担をこれ以上増やすわけにもいかない

先程よりも早く落ちる感覚を味わいながら、呪霊の裂けた腕へとわざと捕まり

掌に鋭い牙の刺さる痛みと共に血が滲む

ッ」

『アガッ』

その場で血液を媒体に印を唱えれば、呪霊は散り散りになり消え去った

「ツ"ナ"!!」

呪霊が消えたことにより、帳は上がって夕暮れと河川敷が視界に広がる

棘がこちらへ駆け寄り、僕の頭を小突いた

「痛っ!え、なんで怒ってんの」

「ゲホッ高"菜"!」

「いや、でも喉潰れかけてるじゃん」

「お"か"か"」

僕は制服のポケットから予備で持ってきていた喉薬を取り出して棘に渡す

未だ許してくれる様子のない棘にどうしようかと思っていたら

「喧嘩?青春だね〜」

変質者が現れた

「…」

…なんでいるんだよ、特級呪術師が暇を持て余すな


.

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設定タグ:呪術廻戦 , 男主 , 狗巻棘   
作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - 雪見だいふくさん» 雪見だいふく様コメントありがとうございます。作品へ好感を持ってくださり私自身もとても嬉しいです。実は先日、貴方様の作品を拝見しておりました。まだ六本木のくだりまでしか読めていなので、この後ゆっくり読みます!雪見だいふく様の作品の更新も心待ちにしてます (2020年12月4日 21時) (レス) id: 683216893f (このIDを非表示/違反報告)
雪見だいふく(プロフ) - 初めまして、いつも楽しく読ませていただいております。とても素敵で引き込まれる作品でとても大好きです!お身体に気をつけて新様のペースで更新頑張ってください (2020年12月4日 14時) (レス) id: 3dc274e14b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年11月28日 21時

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