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渋谷駅で降りれば最初に少し遅い昼飯をとることにし
近場の全国チェーンのハンバーガー店で現役の男子高校生らしい量を食べ終えて
まずは棘が行きたいと言っていた靴屋へと向かう
新しい靴を見たいらしく、品揃えが豊富だと噂の店へと入る
「棘、これ似合いそう」
店内を見て回り、中でも軽量化をメインにしたそのモデルのデザインが棘に似合いそうだと思った
「すじこ」
「え、これにするの？」
「しゃけ」
棘がその靴を試しに履いて軽く歩き、これに決めたと言われ驚いたが少し嬉しくて頬が緩む
店員を呼んで同サイズの新品を買って店を出る
お気に召したようでよかった
「本屋行っていい？」
「しゃけ！」
快く棘は返事をしてくれたのでそのまま本屋へと歩を進める
人でごった返すスクランブル交差点を縫うように渡り目的の地に着いた
気になっていた新刊を求めてぶらりと周り、並んでいた物を手に取って確認する
前作が面白かったから、少し楽しみにしていたのは大きい声では言わない
棘の姿が見当たらないのでスマホを確認するとメッセージがきていたのでタップする
外で待っているという内容で、すぐにわかったと返信して会計を済ませようとしたが
レジが混んでて思ったより時間がかかってしまった
「！い、た………」
店を出た少し先で茅色の短髪の後ろ姿を見つけ、近寄ろうとしたのを一瞬躊躇う
2人組の女が棘に声をかけているではないか
僕は本を買ったことなどの喜びの感情が消え去って今は嫌悪感が渦巻く
「1人なら一緒に遊びません？」
「…」
「大丈夫、私達この辺詳しいからさ〜」
どう対応したらいいか悩んでいる棘にグイグイと迫る女達との間に割り込む
「あの、連れなんで他あたってください」
「かっこい…ぁ、もしかして友達？じゃあ丁度いいよね！」
「は？」
「ダブルデート的な？」
僕と棘を置いて勝手に盛り上がる女達に思わず舌打ちをすると
「おかか」
棘に駄目だと叱られ、開きかけた口を1度閉じる
「お、おかか…？」
女達が先程まで喋らなかった棘の言葉に驚いたのかやっと静かになった
「僕達この後予定あるので、じゃ」
棘の手をとって足早にその場を離れる後ろで、女達の声がしたが無視を決め込む
ある程度離れれば手を離して棘に遅れてごめんと謝る
「高菜、すじこ」
「…そうだね、お土産買って帰ろ」
日の傾いた渋谷の街を、2人は並んで歩いた
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新(プロフ) - 雪見だいふくさん» 雪見だいふく様コメントありがとうございます。作品へ好感を持ってくださり私自身もとても嬉しいです。実は先日、貴方様の作品を拝見しておりました。まだ六本木のくだりまでしか読めていなので、この後ゆっくり読みます！雪見だいふく様の作品の更新も心待ちにしてます (2020年12月4日 21時) (
レス) id: 683216893f (このIDを非表示/違反報告)
雪見だいふく(プロフ) - 初めまして、いつも楽しく読ませていただいております。とても素敵で引き込まれる作品でとても大好きです！お身体に気をつけて新様のペースで更新頑張ってください (2020年12月4日 14時) (レス) id: 3dc274e14b (このIDを非表示/違反報告)
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