彼氏欲しいとは言ったけどさあ【夏油傑】【呪術廻戦】

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「夏油くん、Aだよ。」








先程のぐだぐたAから心機一転、
ひとつ呼吸を整えてから夏油くんの部屋の前で
ノックをする。というのも夏油くんとはあんまり
話したことがなくて関わる事も少ない。


話すことといえば任務の事くらいで、いわば
ただのクラスメイト。









「どうぞ、」と中から篭った声が聞こえて
私は中に入った。そこには穏やかな表情を浮かべた
夏油くんが座っていた。











「ごめんね、遅くなって。何の用だった？」










この前の任務の報告書の事かな、そういえば
夏油くんにまわすの忘れてたっけ。報告書持ってこれば良かった。そんなことを考えながら目の前の彼を見ると、にっこりと笑った。











「また振られちゃったんだってね、」












「えっ、な、な？」











予想外すぎた。
いつもの流れでてっきり任務のことを聞かれると思った私は、その言葉が予想外すぎて口をぱくぱくさせることしかできない。というか、そもそも私が彼氏作りに奮闘している事を何故彼が？しかも また、 って？
頭の中だけがぐるぐると動き回って、体は完全に機能を停止している。










なおも彼は笑顔で続ける。














「どうせまた任務の話だと思ったんだろう？
ごめんね、こんな事で呼び出して。で、振られたんだ？」









「は、はい、ｿｳﾃﾞｽｹﾄﾞ。」










意味がわからない。元々そんなに話したこともないのにその話をするためだけにわざわざ呼び出したのか？
というかなんで本当に知ってるの？






もうすでに、彼の言葉でキャパオーバーだ。
なのに夏油くんは「そっか」と静かに言うとさらに追い打ちをかけてくる。









「なら私の彼女になってはくれないかな？」
















「君が好きなんだ。私と付き合って欲しい。」












「えっ、......え？」














私の思考回路は完全に停止した。















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