復活７３ ページ45
＊
巻き上がった川の粒が雨となって辺りに降り注ぐ。
それらは全身を冷たく濡らし重くのしかかってきた。
──ｷｭｲ──
アンクレットの中で相棒たちが心配そうに鳴いている。
大丈夫だよ。そう心で呟きながら重い足を動かした。
森の中を歩くこと数分。
前方にぼんやりと見える小さな影。
背中の服が2箇所大きく破けている。
歩みもどこか覚束無い。
『────サスケ』
ウチの呼びかけに、弟の歩みが止まった。
「………なんだよ」
振り向きながら返された言葉は、ウチを突き放すように冷たい。
ウチは足を止めることなく彼に近づいた。
『見てたよ、さっきの』
すごかったね。
「……」
『いつの間にか写輪眼もあそこまで使いこなせてるなんてお姉ちゃんビックリした』
「……」
『ナルトくんと喧嘩しててもっとビックリした』
「……」
『これからサスケはさ』
──何処に行くの？
言葉とともに足を止めた。
手が届くくらいの距離。
これ以上近づくな。
弟の眼がそう言っている。
『サスケ、強くなりたいって言ってたよね？』
「……ああ」
今度は答えてくれた。
ウチは言葉を続ける。
『木の葉では、もう…難しい？』
「……ああ」
だからオレは行く。里を抜けてでも。
弟の眼が、そう言っている。
『そっか……』
「………なんで止めないんだ？」
『止めて欲しいの？』
「………いや……」
ここで初めて弟の目を泳ぐ。
ウチは思わず笑みが零れた。
『弟の決意を無理矢理止めるほどわがままじゃないよ、ウチ』
キミが決めたなら尚更。
ウチの言葉にサスケは驚きに目を瞬かせ小さく口をもごもごさせている。
「姉さんは……万華鏡写輪眼の開眼条件を知っているか？」
『…ｯ………うん、知ってる』
“最も親しい者の死”
ああ、そういうことか。
だからナルトくんと死闘をしたんだね。
でも
『途中で止めたのは何故？』
ウチの問いにサスケは1度目をさまよわせ唇をグッと噛む。
そして、決心したのか体ごとこちらを向いてこう言った。
「 オレは…アイツの言いなりにはならない。
オレはオレのやり方で力を手に入れイタチを超える 」
その瞳に宿るのは決意ともうひとつの何か。
『……そっか』
なら尚更止められないね。
言いながら1歩前へ。
弟が後ずさる前に歩み寄り痛めた左腕を庇う右手ごと包み込んだ。
『痛みを和らげるくらいしか出来ないけど』
あと、これは早めの誕生日プレゼント。
触れていた右手首にブレスレットをつけた。
＊
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タートル(プロフ) - 瑠璃さん» コメントありがとうございます！突然止めたのに温かいお言葉……痛み入ります！REBORNでのお話は今すぐには難しいのですが、いつか再開したいと私も思っています。お待たせすることになると思います。申し訳ありません！ (2020年3月11日 19時) (
レス) id: c0d288733a (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - 再開おめでとうございます！凄く嬉しい！続きが楽しみです！あと大丈夫なら夢主がリボーン世界で過ごした話もできたら再開お願いします！これからも体調に気をつけて更新頑張ってください！ (2020年3月11日 18時) (レス) id: cd04157892 (このIDを非表示/違反報告)
タートル(プロフ) - ミリアさん» コメントありがとうございます！今度こそ頑張らねば！ (2020年3月9日 18時) (レス) id: c0d288733a (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 凄く続きが楽しみで面白かったです。今後も無理せず自分のペースで更新頑張って下さい。応援してます。 (2020年3月9日 17時) (レス) id: 06ea196f74 (このIDを非表示/違反報告)
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