復活６３ ページ35
＊
ホゥホゥと夜の鳥が鳴く頃、
眠れないでいたサスケは1人 廊下の窓から曇り始めた夜空を見上げていた。
サスケside
───ウチ、死ににくい体になっちゃったんですよ───
そう言っていた姉さんは、どこか懐かしそうな表情をしていた。
オレの攻撃をもろに受け止めたのは自分が死ににくい体だからか？生き残る自信があったから？
でも、痛みはあるはず。
姉は痛いのが嫌いだ。
同じだけ 相手に与える痛みも嫌いらしい。
聞いた当初は全然意味がわからなかった。
今もあまり分からない。
姉が武器をほとんど使わず体術を駆使して戦う理由。
それは
忍術があまり得意では無いというのもあるらしいが、
1番は
“ 痛みを忘れない為 ” らしい。
殴れば相手も自分も痛い。当たり前だ。
姉は相手を傷つければ自分も傷つくんだと 常に体に教え込ませる為に体術を行使している。
先ず相手の痛みを知り、理解し合うまで話し合う。
痛みを知るためならば(物理的に)体もはる。
偽善に聞こえるかもしれないと姉は言った。
でもそれが自分の戦い方でありポリシーなのだと、木の葉に戻ってきたその日の夜に話してくれた。
平気で人を傷つける人間に大切な人は守れない、と。
姉さんは、悲しそうにそう言っていた。
オレは、徐に左手に目を落とした。
まだ残る肉を貫いた感触。
肉の焼ける臭い。
血の臭い。
………全て、姉さんの……………
「うっ！」
込み上げてくる吐気に襲われたオレは、反射的に
姉さんを傷つけた その手で。
血の臭いが強まった気がした。
正に悪循環。
吐気は更に煽られ目眩も誘発され足が震える。
立っていられず膝が床につく。
さっきまで暑かった筈なのに寒気もしてきた。
震えが止まらな『……サスケ？』ビクッ！
聞こえるはずのない幻聴まで聞こえてきた。
『サスケ？こんな夜遅くにどうしたの……ｯ！？』
幻聴でも幻覚でも無かった。姉さんだ。
オレのただならぬ様子に慌てて駆け寄ってくるのが何となく理解出来た。
何処か、他人事のように感じながらオレの意識はそこで途絶えた。
サスケside 終
＊
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 12人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
タートル(プロフ) - 瑠璃さん» コメントありがとうございます！突然止めたのに温かいお言葉……痛み入ります！REBORNでのお話は今すぐには難しいのですが、いつか再開したいと私も思っています。お待たせすることになると思います。申し訳ありません！ (2020年3月11日 19時) (
レス) id: c0d288733a (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - 再開おめでとうございます！凄く嬉しい！続きが楽しみです！あと大丈夫なら夢主がリボーン世界で過ごした話もできたら再開お願いします！これからも体調に気をつけて更新頑張ってください！ (2020年3月11日 18時) (レス) id: cd04157892 (このIDを非表示/違反報告)
タートル(プロフ) - ミリアさん» コメントありがとうございます！今度こそ頑張らねば！ (2020年3月9日 18時) (レス) id: c0d288733a (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 凄く続きが楽しみで面白かったです。今後も無理せず自分のペースで更新頑張って下さい。応援してます。 (2020年3月9日 17時) (レス) id: 06ea196f74 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
