期間限定の恋人ごっこ【桃】

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｢大ちゃん、それどうにかならないの？｣

｢んにゃ〜？｣



いくら帽子とサングラスで隠しているとはいえ、アイドル佐久間大介とバレなくても目立つのよ。


小柄といっても帽子とサングラスって厳ついじゃない？


そんなお兄ちゃんがア○メイトの袋をぶら下げ、両腕で特大アニメクッションを抱えて歩いてるんだよ？


目立つなって方が無理だ。





｢バレるよ？｣

｢案外バレないんだよねぇ。でもAねぇの顔バレしたら困るし……んじゃあ、俺ん家来る？｣

｢え？｣






当たり前のようにさりげなく言って、道路側に向かうとキョロキョロとタクシーを探してる。





｢この前はAねぇの家に招待してもらったし、今日は俺の家おいでよ〜｣

｢え？ いいの？ あ、でも私 明日も仕事だし、着替えもないや…｣




ブツブツと独りで話してたらタクシーを捕まえてて、どうぞと先を促されたんだけど、何故かその表情はにやけてて。


なに？ と首を傾げる私に、大ちゃんは顔を寄せて言った。









｢泊まるきでいるんだね？｣

｢…………｣

｢俺は遊びにおいでって言っただけでやんすよ？｣

｢……っ！！｣

｢まあ、泊まっていっても俺的にはOKだけどね！ ほらフリーズしてないで早く乗ってくださーい｣




クスクス笑いながらクッションで私をタクシーに押し込む大ちゃん。



何も言えず口をパクパクさせている私を見て ｢金魚みたーい｣ とゲラゲラ笑ってる。






……………は、恥ずかしい。








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マンションに寄る前にちょっとしたスーパーに寄って、タクシーには待っててもらって買い物をすませた。



何だかんだ言って下着を買ってる私は泊まる気満々なんだよね。


だってもう夕方だし帰る方が何かと怠い。








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