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やっぱり似ていると思う。
勿論平野先輩に言われた通り俺と彼女が抱えるものでは天と地の差くらいはあるのだけれど、だけどやっぱり似ている。
海「ねえ、普段の生活に支障はないの」
「んー？どうだろ。いつもは平気なんだけど、前みたいにたまーに辛いなって日はある」
態々俺にこんなに笑顔を振りまく必要ないのに。
本当は誰より辛くて怖いはず。無理をしている。
可哀想だ。
こうやって笑い話にしなくちゃ相手に気を使わせることがわかっているから。だから誰にも内緒にしていたのだろうに。
なんだかひどく悪い事をした気になる。
海「無理して、笑わなくていいよ。俺の前では。」
それにやっぱり俺は下手くそだ。
でも仕方がないだろう。
彼女に対しどんな気の利いた言葉をかければ正解かなんて俺にはわからない。難しい。
だから直球で伝えるしかない。
「ふふ、それ�盒兇�ん人のこと言えないじゃない 」
海「どういう意味」
「そのまま。本当は�盒兇�んみんなの前で無理してるでしょ」
どうしてこんなにもまあ見透かされているんだろう。
俺ってそんなにわかりやすいのだろうか。
「でも仕方ない事だよね、無理して人に合わせるのだって。私だってそうだもん。女の子達の会話って難しいの！だから無理してついて行ってる！けど一緒に話してると結局楽しいのかなって気になってるし、別に嫌じゃない。」
海「それ、俺も同じ」
「たけどやっぱり1人になりたいなぁってたまに思う。」
海「俺も。」
「じゃあ�盒兇�んは何に悩んでるの？」
私と同じなら私と同じように悩みだってあるでしょうということか。
悩みならある。だけどそれを人に言おうなんてまして、彼女に言って何になる。
「ねえ、私の秘密知ったんだから�盒兇�んの秘密も教えてよ。」
秘密にするようなことは何一つないけれど、その秘密に値する俺のくだらない悩みを彼女に話したところでどうなる。
きっと、どうなることもない。
海「俺、もう何もかもから逃げ出したい」
どうなることもないことがわかっているのに、どうしてだろう。
彼女に不思議な圧力があったとでもいうか。
いや、違う。
きっと俺はこのわけもわからない苦しいものを共有したかったんだ。
そうか。ずっと誰かに話を聞いて欲しかったのだ。
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作者名：ふる
| 作者ホームページ：http://twitter.com/ei_njo
作成日時：2017年10月7日 15時
