【D灰】罪と罰

第十二夜【失敗作】 ページ13

そいつは誰だと言ってのけた2人に、事情を知る者達は固まっていた



｢……今なんて言いマシタ？♪｣



｢｢誰？そいつ｣｣
｢｢誰だそいつは｣｣



ざざっとワイズリーはアルマを指差す



｢誰？そいつ｣
｢誰だそいつは｣



((ワイズリーくん？))



ジトーとした目で伯爵達はワイズリーを見る



｢な…なんでワタシを睨むのだ〜〜〜〜〜｣



あたふたするワイズリーは、ふと何かを閃く





一方困惑しているのは、勿論バクと老師もだった



｢か…神田とAの奴まさかアルマが変わり果てていてわからんのか!?｣



相変わらずバカ発言をするバクに老師は、そんなことはない、と諭す



｢あの子達がアルマを判らんはずはない……｣








.




そこにロードの緊張感の欠片もない声が響く



｢なに言ってんのさもぉ〜〜☆アルマだよぉ!!9年前キミが殺したあの失敗作の…｣



そのとき、神田の手がロード人形の頭を掴む



｢あいつは死んだ｣



｢もうこの世にはいない｣



禍々しい殺気を放つ2人にアレンは驚く



｢!!｣



｢────でも生きてたんだよぉ
あんな姿になっても生きてたのに教団が隠したんだよぉ｣



｢潰されてぇのか…｣



｢……………｣



ギリギリと人形の頭を掴む手に力が込められる



しかし、それは仮の姿にすぎないためロードは痛みを感じない



｢キミ達にアルマの罪を被せて奴らは隠してた、"聖戦"を言い訳にしてぇ9年間もねぇ〜〜〜〜〜｣



更に力が込められる



｢揚げ句の果てにAKUMAの卵核埋め込まれちゃって、今じゃアルマは教団に貪られる生き人形だぁ〜〜〜｣



グシャ



ついに頭は握り潰され、神田の手からバラバラとこぼれ落ちる



しかし、直も人形は頭をなくして喋り続ける



顔が怒りで染まる神田を、Aは相変わらずの無表情で、しかし、誰にもわからないくらい少しだけ心配そうな顔で見つめていることをアレンは見抜いていた



｢どうしたねぉ〜？アルマに会えて嬉しくなかった？あ、もしかしてキミにアルマを斬らせた女ぁ…"あの人"のことが関係あるのぉ？｣



刹那────



頭がない人形に向かって刀が振り落とされた────






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