総力戦の末 ページ10
ふと、レッドの声が近くで聞こえた。かと思えばリザードン周りの蔦を消し飛ばし一掃させる。相変わらずのとんでもない威力にポカン、と口を開けて固まった。
「………油断は禁物」
『はい!すみません!』
土下座する勢いて謝り倒した。レッドのマジギレモード、とても怖いです。
……でもレッドのおかげで隙が出来た。今のうちにと言わんばかりに振り返れば、サトシもアランくんも力強く頷く。
みずしゅりけんが突き刺さったその奥へ、私とレッドで同時攻撃を仕掛け道を開ける。
その煙の中へ2人が飛び込んで行った。
ーーー
ーー
ー
時折結晶のようなものが割れる音やポケモンの鳴き声が聞こえる。中が今どうなっているか分からない。
レシラムでは体が大きすぎるため結晶の内部には入れないだろうと。私は外でレッドとヒュウと一緒に帰りを待っていた。
『……大丈夫、だよね』
「あぁ、サトシ達なら絶対に」
「……うん」
手の震えが止まらない。万が一原作と何か変わっていたら、サトシ達の身に何かあったらと。ぐるぐると良くない考えばかりが巡る
怯える私の背中を、ヒュウがそっと摩ってくれた。緊迫した空気が流れ息をすることさえ忘れてしまいそうな……緊張感が漂っていた
────その時、結晶の内部からメガリザードンが飛び出す。その背中にはサトシやアランくん達が乗っていた。眠ったままのハリさんを大事そうに抱え込んで……2人はゆっくりとマノンちゃんの元へ着地した
「やったあ!!」
「やりおったわい!」
下ではコルニちゃんが嬉しそうに飛び跳ねている。ジムリーダー達もチャンピオン達も微笑ましそうにその光景を見つめ…その顔は達成感に満ち満ちていた。
ここでようやく、肩の荷が下りた気がする。ふっと力が抜けその場に座り込んだ。溜め込んだ疲れがどっと押し寄せてきたらしい
「A、大丈夫か?」
ヒュウの声に小さく反応すると、のびをするように両手を上げる。
『やっと………終わったあ〜〜〜』
これでハリさんが危険に晒されることは無い。一先ずは安心だと、マノンちゃんの嬉しそうな表情を横目に見ながら大きく息を吐いた。
「A〜!!アラン〜!!みんなぁ!!!ありがとう〜!!!」
声を枯らす勢いで、そう何度も何度も叫ぶマノンちゃん。あの子の笑顔が見られて私も満足だ
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ひな(プロフ) - 改めてシリーズ作品を全て読ませて頂きました...ポケモンの素晴らしさっていうのがちょこぴーさんの作品では何にとっても何に代えたって伝わるんです。いつの時代でも胸が高鳴ってどうしようもないくらい好きだって言えるような作品です😭 長文失礼しました! (2月19日 1時) (レス) id: 1ddf176c35 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - ここまで書き続けてくださってありがとうございました!!!番外編も拝見させていただきますね!!!大好きです!!!😌😌❤️❤️ (2月18日 23時) (レス) id: 1ddf176c35 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 完結おめでとうございます!!!!!!こんなに遅くなってしまってすごく申し訳ないです、引退までの時間は短くなってしまいましたがそれまでは楽しんで欲しいです...😌😌 大好きな作品か終わってしまったのは悲しいけど完結はやっぱりおめでたい事なので... (2月18日 23時) (レス) @page50 id: 1ddf176c35 (このIDを非表示/違反報告)
もるる - 完結おめでとうございます!1年ほど占ツクから離れてたのですが不意にこの作品が読みたくなって帰ってきました。やはり続きが沢山あって狂喜乱舞しました(笑)改めて最初から読み始め、最後まで楽しませていただきました。これからも密かに応援させていただきます。 (1月30日 19時) (レス) @page50 id: c69fdbd3cf (このIDを非表示/違反報告)
チョコ&ピーナッツ(プロフ) - 柚葉さん» 柚葉さぁぁぁん!!!こちらこそ!!!本当にありがとうございました!!!素敵なイラストも沢山いただけ本当に嬉しいです…!この作品を通して柚葉さんに出会え、私こそとても楽しかったです!!ありがとう!!!!! (1月20日 16時) (レス) id: 827ada299b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チョコ&ピーナッツ | 作成日時:2023年12月17日 18時