ハリさん救出作戦 ページ7
「……もう少しお話がしたかったけれど、そんな時間も与えてくれなさそうね」
ポツリ、とカルネさんが巨石を眺めながらこぼす。その言葉に再び前へ向き直れば巨石が私達の丁度後ろのヒャッコクシティへと歩みを進めていた。タイムリミットが刻々と迫ってきているのだ。
再び気を引き締め、背後の日時計を庇うように立った。各々がポケモンを繰り出し戦いに備える中、カルネさんが声を上げる
「良いですか皆さん！ここが最後の防衛ラインです。決して日時計と衝突させてはなりません。心してかかってください！」
その言葉に、全員が力強く頷いた。チャンピオン達が最前線に立ち並び後方にはジムリーダーが控えている。これほど頼もしい味方はいない。
これは明日をかけた戦いなんだ。じっとなんかしてられない。
『レシラム、まだいける？』
「キュオ！」
連戦続きで疲れているはずなのに、そんなのお構い無しだと言わんばかりに応えてすれた。流石レシラムだ、本当に心強いよ
「セレナ！マノンとユリーカのことを頼む！」
「分かったわ！」
少し離れた場所で、マノンとユリーカちゃん、そしてセレナちゃんが待機することに。この場に安全な所なんて無いけど…少しでも、戦いに巻き込まれて欲しくない。
「マノン、行ってくる」
『ハリさんの事は任せなよ！』
アランくんと一緒にマノンちゃんに声をかける。目に涙を浮かべ、今にも泣き出しそうなくらいだった。そんな彼女をちょっとでも元気づけたいと思ったのだ
すると、マノンちゃんがゆっくりと私の方に近づいてくる。そっと腕を回すと優しく抱きついてきた。年相応の子どものようだ、まだ10歳のトレーナーには辛いよね
「ごめん、ごめんね……A…！」
『え？なんで？』
顔を埋めたまま泣きじゃくる。私の服を掴む手は小さく震えていた。
「だってあたし…！いっつもAに迷惑かけてばっかりで…！ハリさんだって、あたしがちゃんと見てれば…こんな事にならなかったのに…！」
「っ違う！マノン…！元々は俺が…！」
アランくんが何か言いかけたが、人差し指を口元に近づけ静かに合図を送った。それ以上何も言うな、と。
これは誰かのせいじゃない。マノンちゃんもアランくんも巻き込まれた側なんだから。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 522人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひな(プロフ) - 改めてシリーズ作品を全て読ませて頂きました...ポケモンの素晴らしさっていうのがちょこぴーさんの作品では何にとっても何に代えたって伝わるんです。いつの時代でも胸が高鳴ってどうしようもないくらい好きだって言えるような作品です😭 長文失礼しました！ (2月19日 1時) (
レス) id: 1ddf176c35 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - ここまで書き続けてくださってありがとうございました！！！番外編も拝見させていただきますね！！！大好きです！！！😌😌❤️❤️ (2月18日 23時) (レス) id: 1ddf176c35 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 完結おめでとうございます！！！！！！こんなに遅くなってしまってすごく申し訳ないです、引退までの時間は短くなってしまいましたがそれまでは楽しんで欲しいです...😌😌 大好きな作品か終わってしまったのは悲しいけど完結はやっぱりおめでたい事なので... (2月18日 23時) (レス) @page50 id: 1ddf176c35 (このIDを非表示/違反報告)
もるる - 完結おめでとうございます！1年ほど占ツクから離れてたのですが不意にこの作品が読みたくなって帰ってきました。やはり続きが沢山あって狂喜乱舞しました(笑)改めて最初から読み始め、最後まで楽しませていただきました。これからも密かに応援させていただきます。 (1月30日 19時) (レス) @page50 id: c69fdbd3cf (このIDを非表示/違反報告)
チョコ＆ピーナッツ(プロフ) - 柚葉さん» 柚葉さぁぁぁん！！！こちらこそ！！！本当にありがとうございました！！！素敵なイラストも沢山いただけ本当に嬉しいです…！この作品を通して柚葉さんに出会え、私こそとても楽しかったです！！ありがとう！！！！！ (1月20日 16時) (レス) id: 827ada299b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：チョコ＆ピーナッツ
| 作成日時：2023年12月17日 18時
