厳選厨が通ります６【カロス編】

打ち上げ ページ46

……けれど、ヒオウギに帰る前に寄らなきゃいけない場所が。

『……そうだ！先にロンド・ロゼに行かなきゃ！』

「は？どこだよそこ」

『シュートシティの三ツ星ホテルだよ。打ち上げも兼ねて、お祝いパーティーするんだってさ。ヒュウも呼ばれてるから行こうよ！』


そう、大会後にダンデさん達が企画したらしい。若きチャンピオン、サトシの優勝を祝うためのパーティーで今回の参加者達を招いている

私も招待され、ヒュウも一緒にとまとめて招待状を渡されたのだ


『ほら、早く行こ！』

「おう！」


ーーー


ーー


ー


───ホテル、ロンド・ロゼ。パーティー会場。ヒュウの腕を引きながら駆け足で会場に入った

すると、パァン！と複数のクラッカーのようなものが鳴る音。紙吹雪に目を見開く。


「「「A！おかえり〜！！」」」

『………え、』



トーナメントで会ったチャンピオン達だけじゃ無い。アイリスちゃんやデントくん、Nさんに博士にベルちゃんにチェレンさんとイッシュ地方のメンバーに加え…マノンちゃんやユリーカちゃん達とカロス地方のメンバーに…

今まで出会った、全ての人間が集まっていた。飾り付けられた会場には"A、おかえりなさい"と大きく書いてある横断幕まで。
ポカン、と口を開けたまま思わず固まってしまう。


『……え、あれ？サトシの優勝パーティー…』

「もちろんだぜ！サトシの優勝と……そして君が、無事に帰ってきた事を祝って！皆で準備したんだ！」

『……！』

「レッドのやつも、今日ばかりはツリーからも雪山からも脱出したんだぜ？」


みんな、私のために。思わず涙が零れる。会場の入口で今にも号泣しそうな私を宥めながら…ヒュウはそっと背中を押した。多分ヒュウもこの事を知っていたんだろう


「ほら！どうぞ中へ！」

「美味しいものいっぱい用意したんだよ！あのね、あたしとセレナが焼いたクッキーもあるの！！」

『セレナちゃん…マノン……ありがとう…！』

「え、わわっ！？どうしようAが泣いちゃった！！」


慌てるマノンちゃんに泣き笑いながらも、会場の奥へと足を踏み入れる。あちこちから拍手も聞こえ、こんな大勢に祝われることなどなかったから少し照れくさく思った。

中央には私達の席が設けられている。こんなど真ん中に居ていいのかと最初は譲ったが、周りに押され大人しく席についた。

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