厳選厨が通ります６【カロス編】

セミファイナル、進出は ページ42

《主人公 side》

気迫が、ここまで伝わってくる。"シェルブレード"と"ドラゴンクロー"の一騎討ちだ。互いに1歩も譲らず、歯を食いしばりながら懸命に押し合う姿を見守っていた

……その時、ダイケンキの剣が弾き飛ばされる。僅かに押し負けたのだろう。このバトルを見守っていたほぼ全員が、シロナさんの勝利を予想したはずだ

……だけど、私はまだ負けてない。


『いけ！！！押せぇぇぇぇ！！』

「ダァァイ！！！」


懐に忍ばせていたもう1本を瞬時に取り出す。

そう、ダイケンキは二刀流だ。"シェルブレード"も本来は2本の剣を使っている。最後のとっておきとして使わせなかっただけ…


「っ…！？」

咄嗟の行動にシロナさんは大きく目を見開いている。ガブリアスも、もう避ける体力すら残っていない。

ようやく隙が見えた。ここで決めなければ勝てない、といつも以上に声に力が込もる。


『いっけぇぇぇぇぇ！！！"シェルブレード"！！！』

「ダァァァァイ！！！！！」


ガブリアスの斧状の腕をすり抜け、丁度脇腹辺りに"シェルブレード"が決まる。渾身の一撃が入ったガブリアスは呻き声を上げてよろめいた

ダイケンキも、恐らく体力は残ってない。立っているのがギリギリの状態だ。
生唾を飲んで2体の様子を見守る。



───ドシン、と物音がした。どちらかのポケモンが倒れたらしい。煙でよく見えないが…少しずつ視界が晴れ渡る

バクバクと唸る心臓に押しつぶされそうになる。誰よりも早く審判が駆け寄り、このバトルの判定を下した


＿「……ガブリアス！戦闘不能！！！ダイケンキの勝ち！！

よってこの勝者！！A選手！！！」

「『……！』」

＿「きっ……決まったあ！！！第3試合を制しセミファイナルに進出したのは！！！

ショウ選手改め！！！イッシュの英雄！A選手だぁぁぁぁ！！」


ーーー


ーー


ー


アナウンスの声に、ようやく肩の力が抜けていく。その場に蹲りたい気持ちを抑えダイケンキの元へ駆け寄った。

『ダイケンキ…！ありがとう…！！』


そっと抱きしめてやると、小さく返事が聞こえる。ダイケンキもジュナイパーもバクフーンも…本当によく頑張ってくれたから。

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