厳選厨が通ります６【カロス編】

私の切り札 ページ40

私の、ラストのポケモン。ポケットから最後のボールを取り出しては大きく深呼吸をする

ドクドクと、心臓の音が聞こえる。少しの間目を閉じれば……会場中の音まで届いてきた。
歓声もぐっと近くに感じる。

……世界中が、私を見ている。


『………いくよ、私の切り札』



程よい緊張に胸の高鳴りを感じる。自然と笑みが零れた。
最後まで諦めないこと。それを、この世界が教えてくれたから。

…私は、絶対に負けない。


『………ゆけっ！ダイケンキ！！！』

「ダァァァイ！！！」

＿「A選手！！！最後は絶対的エース！ヒスイの姿のダイケンキです！！

さぁここまで素晴らしいバトルを繰り広げた両者！！！勝利の女神はどちらに微笑むのか！！！」


観客のボルテージも次第に上がっていく。ラストはエース同士の一騎討ちだ。

……このダイケンキは、私がヒスイに降り立って最初にゲットしたポケモン。身寄りもないヒスイでの暮らしを支えてくれ、どんな時も私を助けてくれた大切なパートナーだ。

……最後は、この子に賭けてみる。



『…全部、ぶつけよう！ダイケンキ！！

"つるぎのまい"！』

「ダァイ！」

＿「A選手のダイケンキ！まずは能力値をぐんと上げてきました！！」


攻撃力を上げないと、あのメガガブリアスには到底適わない。冷静に技を選びながら相手の出方を伺う

…全ては、ありったけをぶつけるために。


『いくぞ！！"シェルブレード"！！！』

「ダァイ！！！」

「ガブリアス！！"ドラゴンクロー"！！！」


＿＿技がぶつかり合った瞬間、会場全体の空気が揺れる。ビリビリと音がこちらまで伝わってきた。
けたたましく吠える2体に、次々と繰り出される技に。観客達の注目も集まる


「"りゅうのはどう"！！」

『"れいとうビーム"！！！』


息をつく暇すら与えてくれない。目まぐるしく変わるバトルに脳すらも追いつかなくなる

…今はただ、己の勘だけが頼りだ。イチかバチかと賭ける場面ばかり。


『…っ"ひけん・ちえなみ"！！』

「ダイ！！！」


本当なら、最後までとっておきたかった技。ヒスイのダイケンキのみが使える専用技だ。翻弄されたのかガブリアスに直撃した。

……それでも、ガブリアスは倒れない。よく鍛えられていると改めて実感した。

「私は、チャンピオンとして！強く気高く！シンオウのトレーナー達の憧れである為に！貴方に勝つ！！」


……なら、私だって。


『……イッシュのトレーナーが、世界が、ヒュウが！！私のバトルを見てる！！！

だから！負ける訳にはいかない！！！』

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