厳選厨が通ります６【カロス編】

ひゃっきやこう ページ35

渦の中心にいたトリトドンに見事命中した。途端に濁流も止まりフィールドが元の状態へと戻っていく。

＿「な、なんと！トリトドンに大ダメージ！！見たことも無い技が炸裂しました！」


そりゃあそうだろう。"ひゃっきやこう"はヒスイのバクフーンにしか出来ない専用技だ。流石のトリトドンも堪えたようで、苦しそうな表情を見せながらも何とか立ち上がる。

ついでに、追加効果で"やけど"状態にさせたようだ。これで一気に流れが変わった


「(トリトドンにもダメージが……つまり、ほのおタイプ技では無い…？)
……今の技、もしかしてゴーストタイプ技かしら？」

『おぉ、正解です。よくご存知で』

「文献で見たことがあるの」


まーシロナさんなら知ってると思ってたが。他の観客達がざわつき始める中でもバトルは続く。
"あまごい"の効果があるうちに、早いとこ決着を付けたいらしい。


「トリトドン！"ストーンエッジ"！」

『"シャドークロー"で切り裂け！！』


飛んでくる破片を次々と砕くが、あまりにも数が多い。気を取られてしまい中々技を出せないでいる
その間にも雨は降り続き、トリトドンのやけどダメージも入っている。あともう少し押せば……と勝算が見えてきた。


「…なら、これはどうかしら。

"だいちのちから"！！」

『…っ耐えろバクフーン！！』


グラグラと地面が揺れ始め、中心部が赤く光った。空を飛べないバクフーンでは避ける術が無い。

攻撃を直に食らってしまい、相当のダメージが入ったはずだ。けれどバクフーンはまだ持ちこたえている。

微かに技名をバクフーンに伝えれば、大きく頷いて攻撃に耐える。続けざまに飛んできた"ストーンエッジ"にも動じない。


＿「A選手のバクフーン！！なんと耐え切りました！！！」

……私が、敢えて躱すよう指示を出さなかった理由。ずっと耐えてエネルギーを溜め込んで…全てをこの一撃に賭けるように。



『……行くぞバクフーン！！

解き放て！！！"ソーラービーム"だ！！』


「バァァァク！！！！！！」


「…っ！？トリトドン"みずのはどう"！」



咄嗟に"みずのはどう"を出すも、バクフーンの"ソーラービーム"には適わない。天候に左右されつつも威力が極端に落ちることなく、そのままトリトドンに命中したのだ。

……4倍弱点の技。状態異常の効果もありほぼ体力が残っていなかったのだろう。力なく倒れたトリトドンを見て、レフェリーが判断を下す


＿「…トリトドン戦闘不能！バクフーンの勝ち！！」

『っしゃあ！！！』

＿「"ソーラービーム"が決まりました！！A選手！相性をもろともせず！！見事1勝です！！」

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