厳選厨が通ります６【カロス編】

経験を力に ページ34

〈主人公 side〉

──ヒスイでの旅は、私を大きく成長させてくれた。

広大な土地を駆け回り図鑑埋めに勤しむ毎日。だけど今までのポケモンの世界とは全く別物のように感じた。
野生ポケモンは容赦なく襲ってくるし、開始早々村八分にされるし、崖から落ちて死にかけるし……ある意味でメンタルを鍛えられたと思う

……けれど、ここへ戻ってくると決めたから。私はどんな困難も乗り越えられた。


「バァク？」

『…ごめん、ちょっと考え事してた』


フィールドではバクフーンが気だるげそうに立っている。シロナさんを指さして「あいつ？あいつだろ？」と言っているようだけど…別人なんだよなぁ


「先攻は貴方からよ。どこからでもかかってらっしゃい」

と、シロナさんは優美に笑った。1体目はミカルゲかロズレイドと予想してたんだけど…珍しく勘が外れたか。
まぁ相性が不利でもやるっきゃない。

『…それなら、遠慮なく……

行くよバクフーン！"かえんほうしゃ"！！』

「バァァァク！！！」


まずは様子見。バクフーン自慢の"かえんほうしゃ"をお見舞いしてやる。



「…トリトドン、"あまごい"！」


シロナさんの指示通り、フィールド内に雨を降らせる。おかげでバクフーンのほのお技はすっかり威力が落ちてしまった


＿「雨が降りはじめました！！バクフーンの"かえんほうしゃ"もシロナ選手のトリトドンには効いていません！さぁA選手、どう動くか！」

『……』


状況としてはかなり不利だ。"あまごい"の効果は５ターンまで。その間にバクフーンを確実に倒すつもりなのだろう。


「…"だくりゅう"！」


トリトドンを中心に大量の水が溢れ出す。"あまごい"の追加効果もあり威力の増した濁流がバクフーンに押し寄せる。

もちろん効果バツグンの技。かといってこの濁流を避け切ることも不可能だ。


『バクフーン、ギリギリまで避けて！
そこで"シャドークロー"だ！地面に突き立てろ！！！』

「バァク！」


なるべく技を食らわないよう、フィールドのギリギリまで走ったバクフーン。そこで"シャドークロー"を地面に突き刺して受け身の体勢を取った。

"だくりゅう"そのものは直撃したものの、ダメージを最小限に抑えられた。耐え忍ぶ間も身体中のエネルギーを溜め続け……反撃のチャンスを伺う


＿「A選手のバクフーン！！"だくりゅう"に飲み込まれたぁ！！技の効果はバツグンです！」


……大丈夫。それでやられる子じゃない。

…徐々に水かさも減っていく。濁流の隙間から僅かにトリトドンの姿を捉えた。
仕掛けるなら今だ。


『反撃だバクフーン！！

力業！"ひゃっきやこう"！！』

「バァァァク！！！」

「！？」

ひゃっきやこう→←VSシンオウチャンピオン・シロナ

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