厳選厨が通ります６【カロス編】

ただいま、と ページ31

───そして行われた第1試合。アランくんVSダンデさんのバトルだ。お互いのポケモンもよく鍛えられているのが分かる。中でもリザードン対リザードンの一騎打ちは見応えがあり、どちらも引けを取らなかった

……だけど、ダンデさんは最後まで。彼の切り札ともいえる"ダイマックス"をリザードンに使わず勝利した。やはり1位と6位でもかなりの実力差があったのだろう

出番に備える為控え室を出て、暫く廊下を歩いているとアランくんとバッタリ会った。


『……お疲れ様！アラン』

「…あぁ」

そう短く返事をする。口数は少ないが表情を見れば大体分かった。仮にも旅仲間なんでね

悔しそうだけど、全てを出し切った。もう悔いは無いと言わんばかりに晴れやかな表情だ。カロスリーグの彼を思い出す


「…せっかく応援してくれてたのに。かっこ悪いとこ見せてしまったな」

『まさか！アランもポケモン達もよく頑張ったし、ダンデさん相手にあれだけ粘れたんだから…本当にお疲れ様！』


素直にそう思った。きっとカロスでマノンちゃんも応援してくれてるから、張り切ってたんだろうね。別に負けたらかっこ悪いとか無いんだから！と付け加えるとまた嬉しそうに笑った


「…今は、ワタルさんとカルネさんの試合。そして次がお前か」

『おうよ！私の勇姿をちゃんと見届けてよね！』

和やかに会話を交えていると……後ろの方が騒がしい。バタバタと複数の足音が聞こえた。振り返れば、リーグスタッフの声も聞かず会場を突っ走って来たのは……


……ずっと会いたかった、幼馴染のヒュウ。


ーーー


ーー


ー


「A！」


久しぶりに聞いた、ヒュウの声。名前を呼ばれるだけでもう泣きそうになる。本当にこの世界に帰って来れたこと、そしてヒュウが私を思い出してくれたこと。改めてアルセウスには感謝している

『……ただいま、ヒュウ』

少し両手を広げにこやかに笑えば、思いっきり飛び込んできた。関係者の腕章を付けていない辺りスタッフに無理を言って会場まで入ってきたのだろう。相変わらず、私の事になると無茶ばっかりだねえ

「お前……！消えたり、戻ってきたり…！死んだり…生きてたり…！何なんだよおぉぉ…！どんだけ寿命縮んだか…！！」

『ごめん、ごめんねヒュウ。心配かけたね』


苦しいくらいに抱きしめられた。一定のリズムで優しく背中を叩きながら、子どもをあやすような優しい声色で語りかける。
……ヒュウには、散々心配かけたし迷惑もかけた。だからまず謝りたかったんだ

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