幻想の郷は大悪魔と巫女を繋ぐ 霊華 ページ33
「ねえ、貴方ずっと前から幻想郷に住んでるんでしょう?なら、教えてくださらない?幻想郷の事」
霊華は微笑む。黒い少女は一瞬だけきょとんとした顔をして、その後少し呆れたような顔になって、そして、口を開いた。
「はぁ。そんな難しい事は無いぞ。幻想郷ってのは外で忘れられたもの……妖怪とか妖精とか神とか、そういうものが集まる所だ。外で居場所が無くなった奴らの居場所になってる訳だな。だから妖怪達は力を隠さなくて良い。妖精は堂々と歩けるし、神は信仰を失う心配は無い。人間にとっちゃ少し厳しい環境かもしれないがな。―――とまあそんな風に、私達みたいな人外にとっちゃ良い環境だが人間にとってもそうかは保証できない。ああ、でもお前くらいなら別だよ」
「まあ、そんな場所ですの。でも、そうなると桜が忘れられていた理由も納得いきますわ。教えて頂き感謝致します。貴方、とても親切な方なんですのね。影さんと仰るそうですが、大悪魔さんにしては人間味がありすぎますわよ」
霊華がくすくすと笑うと、影は不服そうな表情をして緑茶を啜る。霊華が注文と同時に出された緑茶に口をつけていると、装飾が控えめでお洒落な和装をした店員が皿を机に置く。皿には三色団子が三本、山の形になるように乗っていた。串を取って団子を頬張ると、ほのかな甘みが霊華の口に広がる。
「この団子なるものは食べた事がありませんでしたが、存外美味しいですわね。程よい弾力が癖になりますの」
「……お前、団子も食った事無いのかよ。随分な箱入りか田舎生まれだな」
「ええ、私のティータイムはフォートナム&メイソンで淹れたティーウィズミルクとミルフイユと相場が決まっていましたから……和菓子はたちばなのかりんとう辺りしか経験がありませんわね」
「めっちゃ上流階級じゃねぇか!お前さては相当な金持ち生まれだろ!」
「謙遜の必要は感じない、とだけ言っておきますわ」
三色団子を食べながら、霊華はころころと笑う。影に関して霊華の中の声は特に異論は無いようで、聞こえてくる声はと言えば『お団子美味しそうだなぁ』くらいのものである。霊華は巫女とはいえ神を降ろす事に特化しており、中に居る神は多神教の神だけであるが故に悪魔への敵対心が薄いので、相手が大悪魔であろうと敵対する必要は感じないのだろう。
「そうだ、宜しければ大決闘祭を一緒に観覧しませんの?貴方にお連れ様がいらっしゃったら、お連れ様も一緒に!」
霊華は言って、また微笑んだ。
父親 剣城→←巫女と大悪魔って本来なら仲悪い筈なのに仲良くしてる辺り流石幻想郷 影
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うp主こと東方好き死神まお(別アカ) - さっきさん» ありがとうございます! (2022年8月19日 13時) (レス) id: d45d880fd4 (このIDを非表示/違反報告)
さっき(プロフ) - 更新しました!あと、お話がいっぱいなので新しく作っておきます! (2022年8月19日 13時) (レス) id: cc7395c068 (このIDを非表示/違反報告)
さっき(プロフ) - 更新します! (2022年8月19日 12時) (レス) id: cc7395c068 (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - 更新しました! (2022年8月19日 12時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - 更新します! (2022年8月19日 12時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サナティ x他5人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/
作成日時:2022年8月6日 9時