原神〜2人の姫と1人の王子〜 VI (ページ39)

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久「おぉ〜！それは有り難い申し出。あなた方は外国から島に上陸したばかり、それに商会の
　ものでもありません。彼もそこまで警戒はしないでしょう。彼を探すなら、居住区の海辺にある
　木の下へ行ってみてください。そこが普段我々と彼が待ち合わせに使っている場所になっています」

パ「わかった、オイラたちに任せろ！」

『それでは』

私たちは久利須さんに強く誓い、その場を離れた

久利須さんからは不安そうな色が見えた

それに最後の久利須さんの顔は、これから戦場に行く子供を見送る父親のような顔をしていた

私は「心配しないで」と言うことを伝えたかったから、久利須さんを安心させるようにあえて笑顔を作って見せた

久利須さん、私たちは大丈夫です

今までどんな困難も乗り越えてきましたから…まあ、それは仲間の力があってのおかげなんだけど…

私たちは希望を持った顔で旅立った

近くの海辺の木の下で、金髪の男の人がいた

この人が例の怪しい商人？

ｳﾞｪ「おや？見ない顔だが、新入りか？」

蛍「さっき上陸したばかり」

ｳﾞｪ「言えよ、何しに来た？」

『商品の供給元のことなんだけど…』

ｳﾞｪ「チッ、あっち行った！そんなもん教えたら商売にならないだろ。
　企業秘密だ、分かるか？企業秘密」

パ「ひどい態度だな…」

蛍「値段のことで…もう少し安くできない？」

ｳﾞｪ「買うかどうかも決めてないのになぜ値段のことを？ほほう〜、さては分かったぞ。お前たち久利須に
　言われて来たんだろ？
　へっ、あいつらには関係のないことだ。俺の利益を損なわないでほしいね」

パ「なんでだよ！」

ｳﾞｪ「行った行った！久利須のヤツに伝えておけ、売ってやってるだけ感謝しろってな。俺がいなきゃ、あいつら
　税金すら払えないんだから」

パ「どうしよう、まったく話を聞いてくれない…」

『本物の顔役に頼むしか…』

パ「そうだな、一度あいつに聞いてみるか」

私たちは渋々その場を離れ、トーマのいるところへ向かう

ト「おや？もう帰ってきたのか。問題は解決したのかい？」

パ「うぅ、それが…ちょっと困ったことに…」

蛍「人に頼んだ以上、自分も何かやらないとね？」

ト「お？いいよ、できる限りのことは協力する。
　来たばかりの慣れない地で、いきなり問題を解決しろなんて確かに厳しすぎたね」

『ヴェルナーの情報について…』